ウィリアムズのフェリペ・マッサが、今季のキミ・ライコネン(フェラーリ)は、現時点においては最高のF1ドライバーであると称されるフェルナンド・アロンソをチームメートに持ったことで、心理的なプレッシャーを抱えているのだと語った。
マッサは今でもアロンソとは親しくしているものの、なかなかアロンソに匹敵する結果が残せないまま、昨シーズン限りで8年間所属したフェラーリのシートを失っていた。
フェラーリではマッサの後任として、ロータスからかつてフェラーリに在籍していたフィンランド人ドライバーのライコネンを獲得。2007年にライコネンがフェラーリでF1チャンピオンに輝いたときのチームメートもマッサだった。
「キミの問題は心理的なものだと思うんだ」
マッサは、ブラジルの日刊スポーツ紙である『Lance!(ランス)』にそう語ると、次のように続けた。
「僕もアロンソが来たときにはすごくそれに悩まされたからね。キミは今の成績よりもっと力があることは疑う余地もない。これまでに彼が成し遂げてきたことを考えればね」
「だけど、アロンソと同じチームにいることで、彼(ライコネン)は少しばかり動転してしまい、本来はできるはずの仕事ができなくなっているんだ」
「僕たちは、すごく緻密(ちみつ)な世界に生きているから、もし心理面でうまくいっていないと完ぺきな仕事をこなすことはできないんだ」
そう語ったマッサは、さらに次のように説明を続けた。
「キミがやる気を失ったんじゃないかと言うのは簡単なことだよ。僕が事故にあったせいでやる気を失ったと言われたときと同じようにね」
「でも、僕の意見だけど、アロンソは現在最強のドライバーだよ。だから、もし自分が完ぺきでないと彼の前に出ることはすごく難しいんだ」
「彼(アロンソ)は非常に知的でもあるし、チームを自分のほうに取り込んでしまうこともできる。そして、それによってもうひとりのドライバーは苦しめられることになる」
「チームの関心が別のドライバーのほうへ向いているとき、そうした状況を変えることはすごく難しいものだからね」とマッサは締めくくった。
現在、アロンソが今季限りでフェラーリを離脱することはほぼ確定だと見られている。そして、来季フェラーリでライコネンのチームメートとなるのは4年連続F1チャンピオンのセバスチャン・ベッテルだろうと言われている。そのベッテルは、ライコネンにとってF1パドックの中でも最も親しい友人であることも知られている。