メルセデスAMGが、課題となっている今季のF1エンジンの音量を上げるためのテストをF1スペインGP(11日決勝)で行うことを計画していると報じられた。
今週の初め、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、今シーズンにおいて不評を買うこととなった新しいV6ターボエンジンの音を改善するために提案されたひとつの改善策が、F1カーの排気管に「メガホン」のようなものを取り付けることだと明かしていた。
今季から導入されたV6ターボエンジンの音が、昨年までの自然吸気V8エンジンに比べるかなり低く、小さいものとなったことで、ファンやレース主催者から苦情が寄せられる状況となっていた。これを受け、メルセデスAMG、フェラーリ、ルノーのF1公式エンジンサプライヤーが協力し、今季のF1エンジン音をもっと魅力的なものとするための方策を検討している。
ヴォルフは、これに関して『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』に次のように語った。
「対策は、排気システム内に非常に複雑な仕組みを施すというものから、単に(F1カーの)後部にメガホンを付けるというものまで、幅広いものが検討された」
「メガホン式というのは、後部の排気口と並行してもうひとつ排気口を付けるものだ。すべての(音の)問題はそこで発生するものだからね」
内部関係者によれば、ヴォルフは、その対策がパワーユニットと現在の排気レイアウトの間の熱や空力的な統合性を妨げてしまうのではないかとの懸念を持っているという。
だが、その対策案はメルセデスAMGの今季型車であるW05に施され、来週バルセロナで実施される公式テスト中にテストされることになっている。
ところが、ドイツの『Bild(ビルト)』が、メルセデスAMGではスペインGPの金曜日のフリー走行において、実際にそのメガホン式排気管のテストを行うことを計画していると報じている。
『Bild(ビルト)』によれば、「その対策は午前中にテストされるようだ」が、「それがレースでも用いられるかどうかはまだ分からない」という。
だが実際、レッドブルやフェラーリといったライバルたちがだんだんとその差を縮めてきているように見える状況において、メルセデスAMGにエンジン音増幅のためのテストをレース週末中に行う余裕があるかどうかは疑問の残るところだ。
メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダも、『Osterreich(エステルライヒ)』に次のように語っている。
「バルセロナはものすごく重要なんだ。大切なレースだよ」
「そこでうまくやれたチームは、今後の3つか4つのレースでも同様にうまくやれるだろうからね」
そう語ったラウダは、さらに次のように続けた。
「バルセロナは重要な尺度になる。そして今年はいつもよりもさらに重要なんだ。今年はクルマやエンジンがさらに開発されているからね」
「もし今回もまた我々が(スペインで)強さを発揮することができれば、我々にとってはさらにいい状況になるだろう」、とラウダは結んでいる。