メルセデスAMGが、今週末開催されるF1スペインGP(11日決勝)において、自分たちのドライバーに対して「チームオーダー」を出すことはないと否定した。
今季の第3戦バーレーンGP決勝では、終盤にルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのメルセデスAMG勢同士によるホイール・トゥ・ホイールの激しい戦いが繰り広げられた。その後、メルセデスAMG内では首脳陣にチームオーダーに関する見解の相違があると報道されていた。
かつて3度F1チャンピオンに輝いた元F1ドライバーであり、現在はメルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダはチームオーダーには反対の立場であることが知られている。
事実、ラウダは今週、『Mirror(ミラー)』紙に対し、中国GP(第4戦)においてレッドブルのセバスチャン・ベッテルがチームメートに順位を譲るよう指示を受けた際に、チームに「おあいにくさま」と答えたのは正しいことだったと語っている。
「ああ、もちろんだとも。あれこそレーシングドライバーとしてのまっとうな姿勢だよ」
そう語ったラウダは、さらに次のように続けた。
「ホーナー(クリスチャン・ホーナー/レッドブルのチーム代表)はベッテルに指示を出したとき、『ばか野郎』と言ったんだ。だから、彼らと我々とは違うね」
「うちではチームオーダーは出さない。誰もがバーレーンで見たはずだ。あそこでドライバーたちに伝えられたのはクルマを大切にしろということだし、我々は彼らに自由にレースをさせたよ」
一方、技術部門エグゼクティブディレクターのパディ・ロウと、ビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、チームメート同士が争うことでメルセデスAMGのタイトル獲得がおびやかされるようなことになってはならないと考えており、必ずしもドライバーたちに自由にレースをさせるべきだという考えに完全に同意しているわけではないと伝えられていた。
しかし、今週末のバルセロナでのレースを前に、ヴォルフは『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「我々の戦略は変わっていないよ。(ドライバーは)どちらも自由にレースすることが許されている」
「我々はタクシーのような運転を見たいとは思わないからね」、とヴォルフは付け加えた。