レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、セルジオ・ペレスが2023年のF1選手権をドライバーズランキング2位で終えるのは確実だと考えている。
■一時は不安視されたペレスのランキング2位
シーズン序盤こそ現F1チャンピオンのマックス・フェルスタッペンと互角の戦いを見せて2勝をあげたメキシコ出身ドライバーのペレスだが、その後は調子を落としてしまい、なんとかランキング2番手の位置はキープし続けてきたものの、レッドブルのシートを失う可能性もあるという噂がずっとささやかれ続けていた。
そして、ペレスの母国で開催された第20戦メキシコGP決勝では、スタート直後のターン1でシャルル・ルクレール(フェラーリ)とクラッシュしてリタイアし、そのレースでランキング2位争いのライバルであるルイス・ハミルトン(メルセデス)が2位でフィニッシュしたことで、両者のポイント差は20ポイントに縮まっていた。
■ハミルトンがブラジルで失速し「十分な差」に
だが、ペレスがかなりのプレッシャーを抱えながら迎えた第21戦サンパウロGPでは、ペレスがスプリントで3位、決勝では4位フィニッシュしたのに対し、ハミルトンはスプリント7位、決勝は8位に終わったことから、2レースを残す時点で両者の差は再び32ポイントに開いている。
マルコも、残り2レースでハミルトンがその差をひっくり返す可能性はもうないと考えているようだ。
「チェコ(ペレスの愛称)は、ハミルトンに32ポイント差をつけている」
母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』にそう語った80歳のマルコは、次のように付け加えた。
「それで十分だろう」
ペレスがこのままリードを守り切れば、レッドブルはコンストラクターズタイトルと合わせてドライバーズランキングの1位と2位を独占することになる。そして、それはレッドブルにとっては初の快挙ということになる。