2週間前に今季のF1第17戦日本GPが開催された鈴鹿で2024年もアルファタウリのドライバーを務めることが正式発表されたばかりの角田裕毅だが、最近、新たな噂がささやかれるようになっている。
■アラムコがアストンマーティンF1チームに買収提案?
今週末に第18戦カタールGP(8日決勝)が行われるルサイル・インターナショナル・サーキットのパドックで大きく渦巻いている噂によると、アストンマーティンのタイトルスポンサーを務めているサウジアラビアの国営石油会社『アラムコ』が、チームオーナーのローレンス・ストロールに対して8億ユーロ(約1260億円)でのチーム買収を提案したものと考えられている。
世界的ファッションブランドを展開するカナダの大富豪であるローレンス・ストロールだが、息子のランス・ストロールが今年新たなチームメートとして迎えたフェルナンド・アロンソに全く太刀打ちできない状況にあることで、F1への投資を続けるモチベーションを失っているのではないかとも言われている。
また、アストンマーティンは今期かなりの損失を出しているとも伝えられており、ビジネスマンであるローレンス・ストロールがF1チーム運営から手を引く可能性もないとは言えないだろう。
■ランス・ストロールにはWEC転向の噂も
仮に、ローレンス・ストロールがアストンマーティンF1チームの運営から手を引いた場合、ランス・ストロールはチームオーナーの息子という特権を失ってしまうことになり、遅かれ早かれチームを離脱することになるのは間違いないだろう。
実際のところ、24歳のランス・ストロールには少し前からF1ドライバーとしてのキャリアを終えることを考えているのではないかとの噂もささやかれていたが、最近の噂では、早ければ2024年にWEC(世界耐久選手権)に転向し、レッドブルの最高技術責任者であるエイドリアン・ニューウェイが設計・開発に携わったアストンマーティンのハイパーカーで走る可能性もあると言われている。
■ホンダの支援を受ける角田が一足先にアストンマーティンに?
もしその噂どおりの展開となった場合、2024年のアストンマーティンF1チームのシートがひとつ空くことになる。そして、そのシートに座ることになる可能性が高いドライバーとして、現在唯一の日本人ドライバーである角田の名前がささやかれ始めているようだ。
それは、現在23歳の角田がホンダから強力な支援を受けているためだ。そして、ホンダは新たなF1エンジンレギュレーションが導入される2026年にはレッドブルやアルファタウリと決別し、アストンマーティンにワークスエンジンを供給することが決まっている。
2026年に向けた準備を進める上で、自分たちの秘蔵っ子とも言える角田を早めにアストンマーティンに送り込むことができれば、それはホンダにとっても少なからずメリットとなるだろう。
■アストンマーティンはまず我々と合意する必要があるとレッドブル首脳
こうした噂について質問されたレッドブル首脳のヘルムート・マルコは、ドイツの放送局『Sport1(シュポルト1)』に次のように答えている。
「角田は我々の契約下にある」
「もしアストンマーティンが来年、彼に興味を持つようであれば、まず我々と合意する必要があるよ」
■リアム・ローソンの存在もカギに?
だが、レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリのドライバープログラム責任者でもある80歳のマルコは、第14戦オランダGPから負傷欠場となっているダニエル・リカルドの代役を務めているリアム・ローソンを非常に高く評価している。
21歳のニュージーランド人ドライバーであるローソンは、2024年もレッドブルとアルファタウリのリザーブドライバーを務めることになっているが、マルコは「遅くとも2025年にはフルタイムF1ドライバーになるだろう」と語っており、早ければ2024年シーズン中にローソンがレギュラードライバーのポジションを手に入れる可能性もあることを示唆している。
つまり、ランス・ストロールがアストンマーティンを離脱し、その後任として角田がアストンマーティンに移籍。そして、その角田の後任としてローソンがアルファタウリのフルタイムシートを確保する可能性があるということだ。
現時点では、これらの噂にどれほど信憑性があるのかはわからない。だが、ひょっとしたら、2024年シーズンに向けて、もしくは2024年シーズン中に、驚きのニュースが伝えられる可能性もゼロとは言えないかもしれない。