今週末には2023年F1第18戦カタールGP(8日決勝)が行われるが、そこでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が3年連続となるドライバーズタイトル獲得を決定づけることがほぼ確実となっている。
2023年のF1シーズンはこれまでに16戦が消化されているが、フェルスタッペンはそのうちの13レースで勝利を収めるという圧倒的な強さを誇っており、今季ここまでの勝率は81.25パーセントという驚異的な数値となっている。
そのフェルスタッペンのチームメートとしてレッドブルで3年目のシーズンを迎えているセルジオ・ペレスはシーズン序盤に2勝をあげたものの、その後はフェルスタッペンとの差が大きく広がってしまっている。
■フェルスタッペンのチームメートはみんな潰される
オランダ出身ドライバーであるフェルスタッペンは、2年前に、「僕の父はいつも『チームメートを打ち砕かなければならない』と言っていたよ」と語ったことがあった。
そして、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)によれば、フェルスタッペンがやってみせたのはまさにそれだったのだという。
「(アイルトン)セナのチームメートもみんな同じように潰されたよ」
母国オーストリアの『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』にそう語ったマルコは、マクラーレンでセナのチームメートを務めていた同じオーストリア出身の元F1ドライバーであるゲルハルト・ベルガーの名をあげながら次のように続けた。
「ゲルハルト・ベルガーもそのことに関してひとつかふたつ話すことができるよ」
「マックスは別格なんだ。彼と一緒にやれるとしたら、アロンソやハミルトンのような年長組くらいだろう」
■フェルスタッペンを賞賛するペレス
メキシコ出身のペレスは2024年までレッドブルと契約を結んでいる。そして、現時点ではフェルスタッペンに次ぐドライバーズランキング2番手に位置している。しかし、それでもペレスは今後長くレッドブルのシートを確保し続けることはできないだろうと考えている者が多いようだ。
こうした中、33歳のペレスは、26歳のフェルスタッペンに感銘を受けたことを認めている。
ペレスは、カタールGPの舞台となるルサイル・インターナショナル・サーキットにおいてベルギーの放送局『RTBF』に次のように語った。
「マックスは、より運転が難しいマシンでも、デリケートなコンディションでも、パフォーマンスを発揮することができるんだ」
「これは尊敬に値するし、僕は彼のドライビングにおけるこの面を賞賛しているよ」
「彼は、マシンのパフォーマンスレベルにかかわらず、またいくつかのことが自分に合わないときでさえ、並外れたラップを刻むことができる。それが彼のユニークなところだよ」
「現時点では、彼は誰よりも優れているよ」
■フェルスタッペンに浮き沈みは無縁
そう語ったペレスだが、フェルスタッペンと同じマシンをドライブすることにはいい面もあると主張している。
「もちろんさ。F1史上最高レベルのドライバーのチームメートを務めることは、自分を成長させる助けになるんだ」
「フェルスタッペンのチームメートはみんな苦しんでいた。なぜなら、さっきも言ったように、どんな状況であれ、彼に勝つのはものすごく難しいからだよ」
そう語ったペレスは、次のように付け加えた。
「僕たちは誰もが浮き沈みを経験するものだけれど、どうやら彼は違うようだね」