このほど、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が、2025年からの新規参戦を申し出ていたアメリカのアンドレッティ・キャデラックにはその資格があると認定したことが明らかとなった。
これを受け、今後アンドレッティ・キャデラック(正式な申請者名称はアンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLC)が実際にF1に参戦できるかどうかは、F1オーナーであるリバティ・メディアの判断に委ねられることになる。
■今後はFOMとの話し合いに臨むことになるアンドレッティ
FIAは声明の中で次のように述べている。
「アンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCの申請は次の段階に進むべきであるという結論に達した」
「アンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCの提出書類に関するFIAの調査結果は、商業的な話し合いのためにFOMに渡される」
FOMとはフォーミュラ・ワン・マネジメント(Formula One Management)のことで、現在はリバティ・メディアが運営するF1の商業権管理組織のことだ。
さらに、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムは、次のように付け加えている。
「この決定を下すにあたり、FIAはモータースポーツへの参加と発展に関するEU(欧州連合)の指令に従って行動している」
■チーム数増加に抵抗を示す既存F1チームたち
つまり、アンドレッティ・キャデラックのF1参戦を正式に認めるかどうかは、リバティ・メディアにその判断が委ねられることになるわけだが、これまでリバティ・メディアと既存の10チームのほとんどは11番目のF1チームをグリッドに迎えることに抵抗してきている。
その理由は、端的に言えば、現在はF1収益からの配分金を10チームで分配しているが、チーム数が増えてしまえば1チームが受け取る配分金が減少してしまう恐れがあるためだ。
F1には、アンドレッティ・キャデラックの新規参戦に対して拒否権を発動することもできると考えられている。だが、もしもそうなった場合、EUがその決定は不当だとして介入する可能性もあると考えられており、今後この件がどのように進展していくのかに興味が持たれるところだ。
■今後独自の調査を行うとF1
リバティ・メディアが運営するF1は、FIAの発表を受けて出した声明の中で次のように語っている。
「我々はFIAのプロセスの第1段階と第2段階に関する結論に留意し、残る申請のメリットについて独自の評価を行うことになる」
■我々の参戦はF1への熱狂度を増すとアンドレッティ
一方、アンドレッティ・キャデラップのF1プロジェクトをリードしている元F1ドライバーでもあるマイケル・アンドレッティも声明を出し、その中で次のように語っている。
「我々はFIAの厳格で透明性のある完全な評価プロセスに感謝するとともに、このような歴史的で名誉ある選手権に参戦する機会を与えられたことに非常にワクワクしている」
「アンドレッティ・キャデラックの大きなレース能力とレースから生まれる技術的進歩は、我々の顧客に利益をもたらすと同時に、世界的にF1への熱狂度を高めることになると確信している」