現在フェラーリと2024年まで契約を結んでいるカルロス・サインツが、2025年以降に向けた新契約の交渉は今年の冬の間に行うつもりだと語った。
スペイン出身ドライバーであるサインツだが、少し前から2026年からザウバーと組んでF1に新規参入するアウディが獲得に興味を抱いているようだとの噂もささやかれている。
だが、29歳のサインツは、これまで一貫してフェラーリで走り続けるのが自分の望みだと言い続けてきている。
■新契約締結に自信を示すサインツ
F1第16戦シンガポールGPで、レッドブルのドライバー以外で今季初めて優勝を飾ったサインツだが、最近のレースでは事実上のフェラーリのナンバー1ドライバーだと言われてきた25歳のシャルル・ルクレールを上回るパフォーマンスを見せることが多くなっている。
もちろん、サインツ本人も、こうした状況が自分とフェラーリとの交渉には有利な材料となるであろうことは認めている。
「もし自分のスポーツキャリアにおいていい時期にいるとしたら、交渉も常にやりやすくなるよ」
今週、母国スペインのマドリードで行われたスポンサーイベントで報道陣にそう語ったサインツは、次のように続けた。
「だけど、この数レースで、フェラーリが僕を見る目が、そして僕がフェラーリを見る目が変わったとは思わないよ」
「僕らはどちらも、自分たちが持っている能力とポテンシャルを知っているし、冬に向けた僕の意向はこれまでと同じだよ。もしシンガポールで優勝しなかったとしてもね」
■フェラーリとの交渉は冬の間に
サインツによれば、チーム代表であるフレデリック・バスールとの間で、契約交渉を冬まで延期することで合意しているという。
「将来は冬に決まるだろう。あるいは、僕は冬に決めようと思っている」
「短期的、中期的、長期的に僕が何を優先するかは、みんなもすでに知っているはずだ。そして、冬にそれがわかることを願っているよ」
サインツによれば、実際に話し合いはまだ始まっていないという。
「話し合いはしていないよ。でも、それは僕が(契約を)更新したくないということではないんだ。ただ、シーズン中には時間がないんだ」
「冬には落ち着いて話し合うために4か月があるし、僕たちは契約のことに気を取られたくないんだ。それは時間の問題だよ」
■ハミルトンがフェルスタッペンとレッドブルに文句を言うのはおかしい
一方、サインツは、7度F1チャンピオンに輝いた実績を持つルイス・ハミルトン(メルセデス)が、マックス・フェルスタッペンとレッドブルが圧倒的に強すぎることはF1にとって悪いことだと最近繰り返し訴えていることに対して反論を行っている。
「僕には理解できないよ。自分だってそういうときがあったのに、ほかの誰かにそれが回ったからって、後からそのことに文句を言うなんてね」
そう語ったサインツは、笑いながら次のように付け加えた。
「僕のように、まだそういう経験がない人間が言うのであれば、多少は文句を言ってもいいんじゃないかな」