今季からフェラーリをチーム代表として率いているフレデリック・バスールが、イタリアの名門F1チームを「再構築」する必要があると認めた。
●【2023F1第14戦オランダGP】レース結果・全セッションの結果・開催スケジュール
■地元イタリアではフェラーリ酷評の嵐
先週末に行われた2023年F1第14戦オランダGPでも、フェラーリのペースは上がらず、カルロス・サインツが5位に食い込むのがやっとで、シャルル・ルクレールは精彩を欠き、最終的にリタイアでレースを終えている。
イタリアのメディアは、オランダGPの結果を受けて再びフェラーリを酷評している。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は「恥ずべき」ものだったと伝え、『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』もフェラーリにとって「非常に暗い週末」だったとしている。
さらに、『La Stampa(スタンパ)』は、「どん底のフェラーリ」と付け加えている。
■2023年型フェラーリF1マシンは“負の遺産”?
フェラーリはオランダGPが開催されたザントフォールトで、2024年のシャシーとパッケージはまったく新しいものになると発表している。
フェラーリの2023年型F1マシンは、基本的には昨シーズン後に更迭された前チーム代表兼技術責任者のマッティア・ビノットが中心となって開発したマシンをベースとするものであるのは確かだ。
だが、今年からバスールが新たなチーム代表となったものの、今年のマシン開発戦略もビノット時代のものをそのまま引き継いだのではないかと疑っている者もいるようだ。
■フェラーリにはチーム“再構築”が必要だとバスール
テレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』から、「時代遅れのチームを引き継いだのか」と質問されたバスールは次のように答えている。
「我々は今手にしているもので可能な限り最高の仕事をしなければならないんだ」
「私は、それが継承の問題だと考えたくはない。我々は改善しており、多くの人材を雇用している。だが、我々には自分たちのシステムを再構築する必要があることもわかっている」
■オランダでのフェラーリ不振は空力パッケージ選択ミス?
オランダGPではルクレールが予選Q3でクラッシュし、決勝でもペースが上がらず、最終的にリタイアに終わってしまったが、バスールは予選6番手から決勝でひとつ順位を上げて5位フィニッシュしたスペイン出身ドライバーのサインツのことは高く評価しているようだ。
バスールはサインツに関して「ハミルトンとノリスを寄せ付けなかった彼の頑張りは見事だった」と語っており、フェラーリがサインツと2025年以降の契約を結ぶ可能性が高くなったと受け止めている者も多いようだ。
そのサインツは、今週末にモンツァで開催されるフェラーリのホームレースであるイタリアGPに言及しながら、次のように語っている。
「モンツァでは僕たちが再びよくなることを期待しているよ」
「僕たちはここ(ザントフォールト)ではすごく苦しんだし、すごく遅かった。そして、アルピーヌとマクラーレンの方が僕たちより速かったんだ」
フェラーリがオランダGPでペース不足に陥ったのは、チームが空力パッケージの選択を誤った結果ではないかとの見方もあるようだ。
ともあれ、地元イタリアでのレースで不甲斐ない走りを見せるわけにはいかないフェラーリだけに、今週末のレースでどこまでばん回することができるのかに大きな注目が集まるのは間違いない。