F1第14戦オランダGP(ザントフォールト)決勝レースが行われた。ウェットとドライが繰り返される難しいコンディションだったが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が母国GPで3年連続のポールトゥウィンを飾った。
●【2023F1第14戦オランダGP】レース結果・全セッションの結果・開催スケジュール
2位はフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、3位はピエール・ガスリー(アルピーヌ)だった。
セルジオ・ペレス(レッドブル)は3番手でフィニッシュしたが、5秒ペナルティーで4位に降格された。
レッドブル・レーシングと同じホンダRBPTのパワーユニットを搭載するアルファタウリF1は、角田裕毅は16位、クラッシュして左手を骨折したダニエル・リカルドの代役リアム・ローソンは13位だった。
■レースレポート
■1周目
レーススタート直前に雨が降り始めてきて、バイザーに雨粒が見えるが全車ドライタイヤだ。
スタートは大きな接触もなくターン1を抜けた。その後、名物のターン3で5番手フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がイン側に入り、一気に2台を抜いて3番手へ浮上した!
しかし、1周目の後半部分は水しぶきが上がるほどで、ステイアウトする組と、セルジオ・ペレス(レッドブル)を含む7人がインターミディエイトタイヤ(緑)に交換した。
■2周目
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)らもインターミディエイトタイヤに交換したが、メルセデス勢やマクラーレン勢を含む9人のドライバーがドライタイヤのままステイアウト。しかし、最初にタイヤ交換したペレスが異次元の速さでドライタイヤ勢を追い抜いていった。
その後、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)の5人だけがドライタイヤで残った。
■6周目
雨は上がったものの、まだインターミディエイトタイヤ勢は1分22秒〜24秒台、ソフトタイヤ勢は1分40秒台だ。
■7周目
リアム・ローソン(アルファタウリ)に10秒ペナルティが出された。ピットレーンでケビン・マグヌッセン(ハース)を妨害した出来事についてだが、おそらくこれはチーム側のミスだろう。
■9周目
ソフトタイヤ勢のタイムが1分22秒台に上がってきて、インターミディエイトタイヤよりも速いタイムになったものの、ドライタイヤの最速15番手アルボンはトップから65秒差だ。
■10周目
インターミディエイトタイヤ勢が続々とソフトタイヤに交換していく。
■12周目
最後のインターミディエイトタイヤ勢のセルジオ・ペレスがソフトタイヤに交換し、ここで順位がフェルスタッペン、ペレスの順に入れ替わった。3番手アロンソ、4番手ガスリー、5番手サインツ、6番手ジョウ・グァンユだ。
■14周目
9番手の角田裕毅(アルファタウリ)はエステバン・オコン(アルピーヌ)からの攻撃から順位を守っている。
■15周目
ピットレーンからターン1までだけ大粒の雨が降っている。
そしてストレートのイン側からオコンが角田裕毅をオーバーテイクして9番手へ。
■16周目
イエローフラッグ!ローガン・サージェント(ウィリアムズ)がターン8〜9の間のバリアに突っ込んでいる。単独クラッシュのようだ。
ここでセーフティカーが入った。
■17周目
ジョージ・ラッセル(メルセデス)に5秒ペナルティー。ピットレーンのスピード違反だ。
■18周目
ペレスが「雨降るの?」と尋ねるとレッドブルは「35分で雨が降る予定だ」と返した。
■20周目
現在のトップ10は以下の通り。
1 フェルスタッペン
2 ペレス
3 アロンソ
4 ガスリー
5 サインツ
6 ジョウ
7 マグヌッセン
8 アルボン
9 オコン
10角田裕毅
■21周目
この周でセーフティカーはピットインし、レースが再開する。
■22周目
レース再開!フェルスタッペンがうまくペレスとの差を拡げた。ターン1でペレスにアロンソが迫るが順位はそのままだ。
■23周目
アルボンがマグヌッセンを抜いて7番手へ。
■24周目
ストレートでアルボンがジョウをイン側からオーバーテイクして6番手へ!同じくオコンがマグヌッセンをアウト側からオーバーテイクして8番手へ!
■26周目
ストレートでハミルトンがルクレールをオーバーテイクして12番手へ!ピアストリもルクレールを抜いて13番手へ。
フロントノーズを傷めて交換したルクレールのペースが上がらない。
■28周目
ストレートでランド・ノリス(マクラーレン)がマグヌッセンを抜いて10番手へ。次のターゲットは角田裕毅だ。
■30周目
フェルスタッペンがファステストラップを連発しながら2番手ペレスとの差をじわじわと拡げていく。その差は3.6秒差だ。
■31周目
フェルスタッペン「黒い雲が近づいているよ」と報告する。
角田裕毅がジョウを抜いて8番手へ!
フェラーリによると15番手ルクレールは「フロアにダメージがある」ようでペースが上がらない。
■32周目
15分後に雨が降る予定だ。
■33周目
8番手の角田裕毅にノリスがぴったりとつけている。
■34周目
ターン1でDRSを使ったノリスが迫ったが、角田裕毅に並ぶまでには至らなかった。しかし、引き続きプッシュを続ける。
■35周目
角田裕毅とノリスの戦いにハミルトンも加わってきた。
ノリスは前後を気にしなければならないため、角田裕毅にとってはラッキーだ。
■36周目
ターン1でDRSを使うノリスが近づくと、角田裕毅はイン側にマシンを振って順位を守り切った。
ハミルトンはすぐ後ろからその様子を見ながらタイヤを温存して機会を狙っている。
■37周目
再びターン1でノリスが角田裕毅を狙うが、角田裕毅は守り切った。
■38周目
ジョウ・グァンユ(アルファロメオ)がミディアムからソフトタイヤに交換。一時は3番手を走行していたが、17番手でコースに復帰した。
ジョウの9秒前には新人ローソンが走っている。
そのローソンの目の前にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)が走っている。
■40周目
ミディアムタイヤのローソンがバックストレートでソフトタイヤのルクレールをオーバーテイク!新人がフェラーリを抜いた!
■41周目
しかし、ホームストレートでルクレールがローソンを抜き返した。
■42周目
ローソンが再びルクレールを抜いて15番手へ。ここでルクレールがピットインしてステアリングを外した。リタイアだ。
■43周目
7番手の角田裕毅を攻略できなかったノリスがピットインしてソフトタイヤに交換。
角田裕毅のすぐ後ろにハミルトンが迫る。
■45周目
ここまでタイヤ交換を我慢してきたアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)が1回目のピットイン。ミディアムタイヤに交換した。
ハミルトンが角田裕毅にプレッシャーを与える。
■46周目
ペレスがソフトタイヤに交換。
ハミルトンがピットインしてミディアムタイヤに交換。角田裕毅をアンダーカットしようという狙いだ。
■47周目
上位勢がピットインしていく中、角田裕毅は4番手に上がったがタイムが上がらない。そろそろタイヤの限界だ。
■48周目
ホームストレートでカルロス・サインツ(フェラーリ)が角田裕毅をオーバーテイク!角田裕毅は5番手へ落ちた。アルファタウリはいつタイヤ交換するのだろうか?
■49周目
アロンソがピットインするが、左フロントタイヤが外れずタイムロス!角田裕毅のすぐ後ろ5番手でコースに復帰している。
■50周目
トップのフェルスタッペンがピットイン。2.2秒でソフトタイヤに交換した。
アロンソが角田裕毅を抜いて4番手。角田裕毅のすぐ後ろには元チームメイトのピエール・ガスリー(アルピーヌ)が迫り、角田裕毅がブレーキロックのミスを見逃さずオーバーテイクして5番手が入れ替わる。
■51周目
雨雲レーダーで雨雲が近づいているが、アルファタウリはそこまで粘るつもりかもしれない。
■52周目
ホームストレートでアロンソがカルロス・サインツ(フェラーリ)のイン側に飛び込んでオーバーテイク!3番手に浮上した。
■53周目
ジョージ・ラッセル(メルセデス)が角田裕毅をオーバーテイクして6番手へ。ターン1でやや接触があったが、角田裕毅のパーツは飛んでいないようだ。
すぐ後ろのアルボンも角田裕毅を抜いて7番手へ上がった。
角田裕毅は8番手に落ちて、すぐ後ろにはノリスがとハミルトンが迫っている。
■54周目
ターン1で角田裕毅とラッセルの接触が記録された。
■55周目
ターン1でノリスとハミルトンが一気に角田裕毅を抜いていった。
■56周目
角田裕毅はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)にも抜かれて12番手へ。
■57周目
角田裕毅のソフトタイヤはすでに46周を走行していて最長距離だ。そして雨雲が近づいているが、アルファタウリのこの作戦は結果的に順位を守れなかった。
■58周目
残り15周で、コースの一部の観客が傘を差し始めた。
■59周目
ホームストレートでハミルトンがオコンをオーバーテイクして8番手へ浮上!
■60周目
ピエール・ガスリー(アルピーヌ)がカルロス・サインツ(フェラーリ)を抜いて4番手へ!
■61周目
セルジオ・ペレスがインターミディエイトタイヤへ交換!角田裕毅も含め続々とタイヤ交換していく。
トップ3のフェルスタッペン、アロンソ、アルボンはステイアウト!
■62周目
フェルスタッペンを含め全員がインターミディエイトタイヤへ交換。
序盤よりもかなり強い雨が降ってきた。
先ほどラッセルと接触した角田裕毅に5秒ペナルティーが出された。
■63周目
オコンだけウェットタイヤ(青)に換えている!
ペレスがターン1で止まりきれずに直進してリアから軽くテックバリアに接触したが、ダメージはなく再スタートした。
バーチャルセーフティカーが出された。
■64周目
フェルスタッペンを含めて続々とウェットタイヤに交換!
ここで赤旗が出された。大雨で危険なためレースは一時中断となった。
ピットレーン出口はクローズとなり、ウェットタイヤに交換したセルジオ・ペレスはピットアウトできずにマシンを止めた。
角田裕毅(アルファタウリ)がターン1で止まりきれずグラベルに出てしまったが、なんとかグラベルの外周路までたどり着いてコースに復帰した。
すぐ後ろでジョウ・グァンユ(アルファロメオ)が同じくターン1でタイヤロックしてしまいフロントからクラッシュ!もったいないリタイアだ。
■【F1オランダGP】再スタート順位
1 M.フェルスタッペン(レッドブル)
2 F.アロンソ(アストンマーティン)
3 S.ペレス(レッドブル)
4 P.ガスリー(アルピーヌ)
5 C.サインツ(フェラーリ)
6 L.ハミルトン(メルセデス)
7 L.ノリス(マクラーレン)
8 G.ラッセル(メルセデス)
9 A.アルボン(ウィリアムズ)
10 O.ピアストリ(マクラーレン)
11 E.オコン(アルピーヌ)
12 角田裕毅(アルファタウリ)
13 L.ストロール(アストンマーティン)
14 N.ヒュルケンベルグ(ハース)
15 V.ボッタス(アルファロメオ)
16 L.ローソン(アルファタウリ)
17 K.マグヌッセン(ハース)
<リタイア>
ー G.ジョウ(アルファロメオ)
ー C.ルクレール(フェラーリ)
ー L.サージェント(ウィリアムズ)
■65周目
長い中断の後、セーフティカー先導でレースが再開した。
■66周目
セーフティカーはこの周で終了する。
■67周目
レース再開!フェルスタッペンが逃げてターン1をトップで通過!アロンソはイン側にマシンを振るが届かず。しかし食らいついていく!
3番手のペレスに5秒ペナルティー!ピットレーンスピード違反だ。接近している状況でこれは痛い。
■68周目
ラッセルが順位を落としてピットイン!接触かトラブルか。
ラッセルはノリスと接触したようだ。
■69周目
5番手サインツにハミルトンがぴったりとつけて機会を狙っている。
■70周目
フェルスタッペンはアロンソに2秒差をつけて逃げる。アロンソの0.5秒後ろにペレスが迫る!
■71周目
5秒ペナルティーのペレスは早めにアロンソを抜いて後続とのリードを拡げたい。
■72周目
ターン1で5番手サインツにハミルトンが迫るが抜けない!
■チェッカーフラッグ
フェルスタッペンが母国で3年連続のポールトゥウィン!今シーズン11勝目、セバスチャン・ベッテルに並ぶ同一シーズン9連勝を達成した。
2位はアロンソで、6月の第9戦カナダGP以来の表彰台となった。
3位でフィニッシュしたペレスは5秒ペナルティーが科せられたため、繰り上がりでガスリーが今季初の表彰台に上がった。
5位はサインツ、6位はハミルトンだった。
ノリスが7位、アルボンが8位、ピアストリが9位となり、オコンが10位で最後の1ポイントを獲得した。
金曜日のクラッシュで骨折したダニエル・リカルド(アルファタウリ)に代わって急遽ウェットコンディションの土曜日フリー走行からドライブしたリアム・ローソンは、難しいF1デビュー戦となったものの13位でフィニッシュした。角田裕毅は一時はガスリーの後ろを走行していたが、タイヤ交換の戦略ミスもあり16位だった。
■【F1オランダGP】暫定結果
1 M.フェルスタッペン(レッドブル)
2 F.アロンソ(アストンマーティン)
3 P.ガスリー(アルピーヌ)
4 S.ペレス(レッドブル)
5 C.サインツ(フェラーリ)
6 L.ハミルトン(メルセデス)
7 L.ノリス(マクラーレン)
8 A.アルボン(ウィリアムズ)
9 O.ピアストリ(マクラーレン)
10 E.オコン(アルピーヌ)
11 L.ストロール(アストンマーティン)
12 N.ヒュルケンベルグ(ハース)
13 L.ローソン(アルファタウリ)
14 K.マグヌッセン(ハース)
15 V.ボッタス(アルファロメオ)
16 角田裕毅(アルファタウリ)
17 G.ラッセル(メルセデス)
ー G.ジョウ(アルファロメオ)
ー C.ルクレール(フェラーリ)
ー L.サージェント(ウィリアムズ)