1990年代を中心にF1で活躍し、3勝を挙げた実績を持つイギリス人元F1ドライバーのジョニー・ハーバートが、レッドブルは2025年にはセルジオ・ペレスの後任として現在マクラーレンに所属しているランド・ノリスの獲得を目指すべきだと示唆した。
■フェルスタッペンに大差をつけられたペレス
今年レッドブルでの3シーズン目を迎えているベテランF1ドライバーのペレスだが、シーズン序盤こそ現F1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンと共にトップ争いを演じていたものの、第7戦モナコGP以降は5戦連続で予選Q3に進出できないというスランプに陥っていた。
第12戦ハンガリーGPでなんとか予選Q3進出を果たし、決勝でも3位表彰台に上ったペレスは、第13戦ベルギーGPでは予選3番手、決勝2位と、復調の兆しを見せ始めている。
しかし、フェルスタッペンはペレスが不調の間も連勝街道を突き進んでおり、33歳のメキシコ出身ドライバーは現時点ではすでにフェルスタッペンに125ポイントもの差をつけられている。
スポーツ専門のオンラインブックメーカーである『OLBG』が調べたところによれば、フェルスタッペンとペレスの予選でのタイム差は平均0.958秒となっており、これは全てのF1チームの中で最大の差だという。
■この状況を変えられるのはペレスだけ
「これは憂慮すべきことだよ」
そう語った59歳のハーバートは、次のように続けた。
「絶対にチームメートにこれほど離されたくはないものだ。もし私がペレスだったら不安になり、すごく落ち着かないだろうね」
「フェルスタッペンはプレッシャーを受けたり挑戦を受けたりすることがないのでこの状況にとても満足している。しかし、レッドブルはほかのチームの競争力がさらに高まったときにコンスタントに上位に立てるドライバーが必要になることがわかっているよ」
そう語ったハーバートは、この状況を打破するにはペレス自身が頑張るしかないのだと次のように付け加えている。
「シーズンも半分を過ぎたが、彼(ペレス)はスピードをさらに上げることがまだできていない。それができるレースもあるかもしれない。しかし、彼にはフェルスタッペンのような一貫性を見つけることはできない。この状況を好転させられるのはペレスだけだよ」
■2025年にはノリスがペレスの後任候補に?
メキシコ出身の33歳となるペレスは現在レッドブルとの間に2024年までの契約を結んでおり、レッドブルはペレスが来年もフェルスタッペンのチームメートを務めることは間違いないと主張している。
だが、2025年に向けては、レッドブルがペレスの後任にふさわしいドライバーを探しているかもしれない。
ハーバートは、その場合には自分と同じイギリス出身ドライバーであるマクラーレンのノリスが選択肢のひとつになる可能性を示唆している。
実際のところ、レッドブル首脳であり、レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリのドライバープログラム責任者としても知られるヘルムート・マルコがノリスに興味を持っていることを認めている。
だが、これまで通算8回表彰台に上った実績を持つノリスはマクラーレンと2025年シーズンまでの契約を結んでおり、仮にノリス本人が移籍を望んだとしても、2025年からレッドブルで走ることが可能かどうかはわからない。
■レッドブル移籍にはリスク要素も
「誰をペレスと入れ替えるか? ランド・ノリスも候補となりえるだろうが、彼が契約を解除できるのか、あるいはパフォーマンス条項があるのかどうか、それは私にはわからない」
「シャルル・ルクレールとカルロス・サインツがフェラーリを離れたいと思う理由は見当たらない。いくらかフラストレーションを抱えているのは知っているがね」
そう語ったハーバートは、次のように付け加えている。
「だが、レッドブルへ移籍する場合には、考えておくべき大きなリスク要素がある。なぜなら、そこにはフェルスタッペンがいるからだ。彼は簡単な相手ではないからね」