かつて1980年代中盤から1990年代中盤にかけて活躍したフランス出身元F1ドライバーのフィリップ・アリオーは、レッドブルのセカンドチームであるアルファタウリが10レースを終えた時点でニック・デ・フリースとの契約を解除したのは正当なことだったと考えている。
■批判もあったデ・フリース解雇
F1関係者やファンの中には、今年初めてフルタイムF1ドライバーとして走るチャンスが与えられた28歳のオランダ人ドライバーを評価するには、10レースというのはあまりにも少なすぎたのではないかという声も多い。
だが、かつてローラ、リジェ、ラルースなどでF1を戦った経験を持つ69歳のアリオーは、そうは考えていないようだ。
アリオーは、母国フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
■ルーキーが生き残るためにはやるべきことがある
「すぐに強い印象を与える必要があるんだ」
「ルーキーがどのようにF1にやってきたのか、それが彼のパーソナリティをよく表すんだ」
「その後、ルーキーとチームメートが比較されるのは言うまでもないことだ」
「必ずしも最初からチームメートを打ち負かす必要はない。だが、少なくともフライングラップでは遜色ないことが必要なんだ。そして、私がオランダ人ドライバーのラップに感心させられたことは一度もなかったよ」
「F1で生き残るためには、レースで何ができるかを示すためにはもっと時間が必要だと言う前に、そこをチェックしなければならないんだ。そうでなければ、単に時間の無駄でしかないよ。とりわけ、F1のような、スポーツ的にも財政的にも莫大な資金が要求される分野ではなおさらね」
■近年のF1では1年も待てない
もっとも、アリオーも自分がF1現役ドライバーであった80年代から90年代にかけてはルーキーがF1に慣れるためにまるまる1シーズンのチャンスが与えられるのが妥当だったと認めている。
だが、アリオーは、高性能シミュレーターなどの登場により、今ではその状況は変わってしまっているのだと次のように付け加えている。
「データを集められることで、以前よりももっと早く判断できるんだ。だから、最近では6か月というのは甘すぎるくらいだと私は思うよ」