世界的高級スポーツカーメーカーであるフェラーリのCEOを務めるベネデット・ヴィーニャが、イタリアの名門F1チームには最近「改善の兆し」が見られると語った。
■苦戦が続くイタリアの名門F1チーム
イタリアのマラネロを本拠地とするフェラーリだが、2023年にはタイトル争いに加わるどころか現時点ではコンストラクターズランキングも4番手に沈んでしまっている。
こうした中、とりわけイタリアのメディアはフェラーリに対して非常に批判的な報道を続けている。
しかし、夏休み前最後のレースとなった先週末のF1第13戦ベルギーGPでは、シャルル・ルクレールが3位表彰台を確保。フェラーリとの現在の契約が2024年までとなっているルクレールは、すでにフェラーリと2025年以降の新たな契約を結んだようだとも噂されている。
■「改善の兆候もある」とフェラーリCEO
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によれば、2021年9月からフェラーリのCEOを務めているヴィーニャは、金融アナリストとの電話会談においてベルギーGPを振り返りながら次のように語ったという。
「最近のレースでは、先週末のスパ・フランコルシャンのように、いくつか改善の兆しが見られた」
「我々が改善を続けたいと考えているのは明らかであり、マシンの競争力を高めるために休みなく取り組んでいるところだ」
■創業者の遺産を引き継いでF1で戦うフェラーリ
ドライバーズタイトルは2007年(キミ・ライコネン)、コンストラクターズタイトルは2008年を最後に長く無冠状態が続いているフェラーリだが、ヴィーニャは自分たちがF1から去ることは決してないと主張している。
「レースは我々の伝統であり、これまで以上に革新への励みとなっている。それは、我々が常に生き続けるために進歩しようとする意思であり、そして、我々が信頼と謙虚さをもって常に培っていかなければならない創業者の遺産なんだ」
そう語った54歳のヴィーニャだが、現在のフェラーリが非常に厳しい位置にあるのは事実だと認め、次のように付け加えている。
「我々はこの精神でF1選手権をスタートした。だが、競争力のレベルに関しては、我々の期待を下回るものだった」