先週末に行われた2023年F1第12戦ハンガリーGP予選では、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が2021年の第21戦サウジアラビアGP以来となる通算104回目のポールポジションを獲得した。
だが、そのハミルトンは決勝では宿敵のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だけでなく、最近パフォーマンスを大きく向上してきているマクラーレンのランド・ノリス、そして決勝を9番グリッドからスタートしたセルジオ・ペレス(レッドブル)にも逆転されて4位に沈んでしまった。
■レッドブルのマシンコンセプトを真似るべきだとハミルトン
そのハミルトンは先週、2023年シーズンに自分がどの順位でレースをフィニッシュするかはもはや気にしていないと語っていた。それは、もはや最強を誇るレッドブルに勝つチャンスはないからだ。
38歳のハミルトンは、『DAZN(ダゾーン)』に、メルセデスはレッドブルのコンセプトを取り入れたマシンに変えるべきだと次のように語っている。
「僕はチームに対して、レッドブルの方向性で行くべきだと繰り返し言っているんだ」
「概して、僕たちはほか(のチームのマシン)よりもリアウイングが大きいんだ」
「彼らはフロアでもっとダウンフォースを稼いでいるようだ。今年のマシンでも次のマシンでも構わないけれど、僕たちもその方向性で行く必要があるよ」
■メルセデスのマシンは決して悪くないとノリス
一方、ノリスはハンガリーGP決勝を2位で終えた後、次のように語っている。
「ルイスがすごく文句を言っているのは僕も知っているよ。僕らのマシンがいかに素晴らしく、彼らのマシンがどれほど悪いかってことにね。だけど、彼らのマシンは悪くはないよ。そして、彼らのマシンはシーズンを通じてずっと悪くはないんだ」
「昨日、ルイスは1位以外でフィニッシュするのがどれほど辛いことかと文句を言っていた」
「19番手と20番手でレースをしてみてよ!」
今シーズンはここまでに5回も17位フィニッシュを経験してきた23歳のノリスはそう語ると、次のように付け加えた。
「彼はこれまでの人生で一度もそんなことはしたことがないんだ。ルイスがF1でやったことがないのはそれだけだよ」
■ハミルトンがノリスに抜かれたのは「バトンタッチ」だと元F1ドライバー
こうした中、現在はイギリスのテレビ局『Sky UK』のコメンテーターを務めているイギリス出身元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、ハミルトンが同じイギリス人のノリスにハンガリーGP決勝でオーバーテイクを許したのは、F1におけるイギリス人ドライバーの「バトンタッチ」のようなものだったと語り、F1での世代交代が着実に進みつつあると示唆している。
実際のところ、ノリスはホームレースの第11戦イギリスGPでも2位となり、3位で共に表彰台に上ったハミルトンから手荒い祝福を受けていた。