伝えられるところによれば、メルセデスは7度F1王者となった実績を持つルイス・ハミルトンと2025年までの2年契約を結ぶことで合意に達したようだ。
■ハミルトンとの交渉は完了したとヴォルフ
メルセデスのチーム代表であるトト・ヴォルフは、今季のF1第12戦ハンガリーGPが行われた先週末のハンガロリンクにおいて、今季で現在の契約が切れるハミルトンとの交渉はすでに終わっており、あとは正式に調印するだけだと認めている。
その際ヴォルフは、ハミルトンとの交渉は「感情的(emotionally)」に終わったと語っていた。かつてのハミルトンのチームメートであり、2016年のF1チャンピオンであるドイツ出身のニコ・ロズベルグは、これに関して次のようにコメントしている。
「契約が感情的に完了したってどういう意味なのか、誰か教えてくれないかな?」
「ルイスがどうしてそれほど時間をかけているのか、僕にはまったくわからないよ」
■ハンガリーで2つの芸術を見せたハミルトン?
そう語ったロズベルグだが、先週末のハンガリーGPの予選で38歳のハミルトンが見事に通算104回目となるポールポジションを獲得したのは見事だったと次のように続けている。
「僕は何年もの間、こういう魔法のような瞬間を間近で見てきたんだ。そして予選での彼のラップはそうした瞬間のひとつだったよ」
「あれはレーシングカーを運転しているというより、もはや芸術だった」
だが、元F1ドライバーであり、現在はF1評論家でもあるマルク・スレールは、ハミルトンが決勝でそのポジションを守ることができなかったばかりか、表彰台すら逃してしまったことに対してロズベルグと同じ表現を用いながら、『motorsport-total.com』のコラムに次のように書いている。
「ポールポジションから4位でフィニッシュするのは、ほとんど芸術だね」
■メルセデスはマクラーレンよりは速いとヴォルフ
失意のうちにハンガリーGP決勝を終えたハミルトンだが、ハンガリーでの予選は別として、メルセデスはもう1年以上にわたって「最高の状態にはない」と認め、次のように付け加えている。
「レースでレッドブルを打ち負かすにはまだほど遠いし、僕たちはマクラーレン勢にも後れをとっているみたいだ」
しかし、メルセデスを率いるオーストリア出身のヴォルフの意見は違うようだ。
「今日唯一よかったのは、ジョージ(ラッセル)のドライビングだ」
「それ以外はすべて見直す必要がある。我々は表彰台を失ったし、もしかしたら2ポジションをね」
「戦略はよかったんだ。我々には2番目に速いマシンがあった。我々より速かったのはマックス・フェルスタッペンだけだ」
ハンガリーGP決勝後にテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ったヴォルフは、次のように付け加えた。
「我々は自分たちが持っていたポテンシャルを使わなかったんだ」
■ハミルトンは40歳までF1を続けることに?
ともあれ、『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』によれば、ハンガリーでヴォルフがハミルトンとの契約をあと2年(2024年と2025年)延長することになると漏らしたという。
また、ドイツの『Bild(ビルト)』も、メルセデスとハミルトンが新たな契約を結ぶことが確実となったと次のように報じている。
「すでにハミルトンが来年もメルセデスでドライブすることははっきりしている。あとは正式に契約を結ぶだけだ」
こうした報道が事実であれば、ハミルトンが現行F1技術レギュレーションでの最後の年となる2025年までメルセデスにとどまることになりそうだ。そして、その2025年の1月には、ハミルトンは40回目の誕生日を迎えることになる。