今季からウィリアムズのチーム代表を務めているジェームズ・ヴォウルスは、今後アレクサンダー・アルボンを中心に据えたチームづくりを目指していくつもりのようだ。
最近ウィリアムズで非常に印象的なパフォーマンスを見せているイギリス生まれのタイ国籍ドライバーであるアルボンだが、すでにF1トップチームも獲得に興味を持っているようだとの噂がささやかれている。
■再びレッドブルの目にとまったアルボン
2019年にトロロッソ(現アルファタウリ)でF1デビューを飾り、その年の後半からトップチームのレッドブル・レーシングに昇格したアルボンは、翌2020年もレッドブルで走ったものの、そのシーズン限りでシートをセルジオ・ペレスに明け渡している。
2021年はレッドブルのリザーブドライバーを務めていたものの、アルボンはF1フルタイムドライバーとして復帰するためにレッドブルと別れ、2022年にはウィリアムズに加入している。
その2022年シーズンにはわずか4ポイントしか獲得できなかったアルボンだが、2023年シーズンを迎えるとマシンのパフォーマンス向上もあって、ここまでの10戦ですでに11ポイントを獲得。それ以上に、予選でのアルボンの速さには目を見張るものがあり、再びレッドブル首脳のヘルムート・マルコの目にもとまったようだ。
だが、80歳のマルコは、アルボンについて次のように語っている。
「残念ながら彼は2025年末までウィリアムズに縛られているんだ」
■フェラーリF1代表も獲得の可能性を否定
そして、最近ではアルボンがフェラーリに移籍する可能性もあるとの噂もささやかれるようになっている。これは、苦戦を強いられているフェラーリのシャルル・ルクレールとカルロス・サインツが、いずれも2024年までの契約があるものの、チームを離脱する可能性もあると噂されていることに連動した推測のようだ。
しかし、『Autosprint(オートスプリント)』を含むイタリアのメディアは、フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが次のように語ったと報じている。
「そんな話がどこから出たのか、私にはわからないよ」
「アレックス(アルボン)は現在いい仕事をしていると思うかと記者に聞かれたら、私はイエスと答えるよ。だからといって、それは私が彼を雇うことに興味を持っているという意味ではないよ」
「彼はウィリアムズと2024年の契約があると私は思っている。そして、あのチームは多くの投資をしているところだ」
■名門ウィリアムズ復活の立役者として期待されるアルボン
実際のところ、アルボンが来季以降もウィリアムズで走るのは確実な状況となっているようだ。
今季からウィリアムズのチーム代表を務めているジェームズ・ヴォウルスはアルボンに非常に満足しており、数多くのF1タイトルを獲得してきたかつての名門チームを復活させるための切り札として考えているようだ。
『Beyond the Grid(ビヨンド・ザ・グリッド)』から、今後、27歳のアルボンを中心にウィリアムズを再建していくつもりかと質問されたヴォウルスは次のように答えている。
「そうだ。彼はリーダーシップの資質を備えている」
「彼と私が話をしている分野があるんだ。私が彼にはもっとできると思うところがね。だが、彼は明らかに我々を組織として前進させるために必要なものを持っているよ」
昨年までメルセデスの戦略責任者だった44歳のヴォウルスはそう語ると、次のように付け加えた。
「さっきも言ったが、将来に向けて、私が今いるところから、彼が本当にその一部であることを願っているよ」。