レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、2026年に導入される新たなF1技術レギュレーション問題に関して、F1における宿敵とも言えるメルセデスのチームCEO兼代表であるトト・ヴォルフに反撃した。
■2026年の技術レギュレーションに疑問を呈したレッドブル
ホーナーと、現在ドライバーズランキングトップに立っている現F1チャンピオンのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、今季のF1第10戦オーストリアGPが開催された先週末のレッドブルリンクにおいて、2026年に導入されるレギュレーションではパワーユニットと呼ばれるF1エンジンが発生する出力のうち電気パワーの比率が大幅に増加されることについて懸念を表明し、レギュレーションを修正するべきだと主張した。
■レッドブルの発言は疑ってかかるべきだとメルセデスのボス
だが、ヴォルフはそれに対して即座に反論し、レギュレーションが変更される可能性は「ゼロ」だと主張するとともに、次のようにコメントしていた。
「彼(ホーナー)は自分のエンジンプログラムがうまくいっていないことを心配しているのだろうと私は推測しているよ。そのため、彼はこのレギュレーションを撤廃したいんじゃないかな」
「このような発言の背後にある動機については、常に疑問を抱くべきだよ」
このヴォルフの発言は、レッドブルが2025年シーズンを最後にホンダと決別し、2026年からはフォードと手を組んで自分たちのエンジン部門であるRBPT(レッドブル・パワートレインズ)で製造したエンジンで戦うことになっていることに言及したものだ。
しかし、今度はホーナーが反撃に転じ、偽善という罪を犯しているのはヴォルフの方だと示唆している。
■自分のことだけを考えているのはヴォルフの方だとホーナー
「悲しいかな、それは典型的なトトだよ。彼が焦点を合わせているのは自分のパフォーマンスだけだ」
イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』誌にそう語ったホーナーは、次のように続けている。
「私の関心は、自分たちの改善よりもスポーツにあるんだ。2026年に誰が競争力のあるエンジンを持ち、誰がそうでないかを語るのはまだ早すぎるよ」
「私にとって最も重要なのは、スポーツの観点から、FIAや商業権保有者と協力して製品を最高のものにするという連帯責任なんだ」
「もし我々がそうできなければ、我々全員が失敗することになる。なぜなら、これらのレギュレーションに取り組み始めたとき、どこに限界があるのかが見えてくるからだ」
そう主張したホーナーは、次のように付け加えた。
「そして、我々と同じ考えを持つチームはほかにもあるよ」。