レッドブル・レーシングとその姉妹チームであるアルファタウリのドライバープログラム責任者であるヘルムート・マルコが、現在苦戦を強いられているニック・デ・フリース(アルファタウリ)の後任候補として2人のドライバーの名前をあげた。
■レッドブルジュニアでF1昇格に最も近いのはローソンと岩佐
噂によれば、昨シーズン限りでマクラーレンのシートを失い、今年はレッドブルのサードドライバーを務めているダニエル・リカルドもその候補の1人だろうと言われている。
だが、マルコは、34歳になったばかりのオーストラリア人ドライバーであるリカルドをアルファタウリでF1復帰させることには乗り気ではないようだ。
「我々にはF1で戦う準備ができている2人のドライバーがいる」
マルコは母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』にそう語ると、次のように付け加えた。
「リアム・ローソンと岩佐歩夢だよ」
■F1昇格の準備はできているとローソン
マルコが言及した21歳のニュージーランド出身ドライバーであるローソンは、昨年のF2選手権をランキング3位で終え、今年は日本のスーパーフォーミュラに参戦している。そして、これまでに2勝をあげ、現時点ではランキング2番手に位置している。
そのローソンは、先週末に行われたF1オーストリアGPでは、レッドブルとアルファタウリのリザーブドライバーとしてレッドブルリンクに待機していた。
「スーパーフォーミュラではレースとレースの間に大きなギャップがあるから、僕はその時間をヨーロッパでレッドブルのシミュレーター作業に使うことができるんだ」
今週、ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』にそう語ったローソンは次のように続けた。
「それだと僕はF1レースの50パーセントに行けることになる。日本に住むと、そうするのはすごく難しいよ」
そう語ったローソンだが、自分が本当にF1昇格の候補者なのかどうかは「全くわからない」と認めている。
「でも、もしも声がかかれば、そのための準備はできているよ」
そう語ったローソンは、そのうちF1で金曜フリー走行に出走するチャンスが巡ってくることを期待していると次のように付け加えた。
「現時点では、金曜日のセッションはまだ確定していないけれど、どこかの時点でチャンスが来ることを強く願っているよ」
■アルファタウリで角田と岩佐が組む可能性も
一方、今年はF2選手権で2年目のシーズンを戦っている21歳の岩佐は、現時点ではランキング3番手につけている。
先週末のオーストリアGPは不本意な結果に終わったものの、角田裕毅に関しては、2024年もアルファタウリに残留する可能性が高いと考えられている。もしも、岩佐がF2の厳しい戦いをくぐり抜けてマルコの信頼を勝ち得ることができれば、2024年に新たなチーム名称に変わることになるアルファタウリで2人の日本人ドライバーが戦うことになる可能性もゼロではないかもしれない。
決してデ・フリースの不振を願うわけではないが、2人の日本人ドライバーがフルタイムドライバーを務めることになれば、それは日本のファンにとってはまさに“ドリームチーム”の誕生ということになるだろう。
■夏休み前の3レースでデ・フリースの運命が決まる?
これまでに伝えられるところによれば、デ・フリースが2024年もアルファタウリのシートをキープできるかどうかは、夏休み前に開催される3レース(イギリスGP、ハンガリーGP、ベルギーGP)でどのようなパフォーマンスを発揮できるかにかかっていると考えられている。
80歳のマルコは、次のように語っている。
「我々はデ・フリースの成長度合いを見守っているところだ」。