2021年と2022年のF1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今年もほぼタイトル獲得に王手をかけたに近い状況となっている。
だが、フェルスタッペンに言わせれば、それはほかのドライバーたちがお互いにポイントを奪い合っているおかげでもあるようだ。
■F1通算勝利数でアイルトン・セナを追い抜いたフェルスタッペン
まだ13レースを残しているとはいえ、フェルスタッペンは現時点でドライバーズランキング2番手につけているチームメートのセルジオ・ペレスに81ポイントもの大差をつけており、今後フェルスタッペンによほどのことがなければ、その差を逆転するのはほぼ不可能に近いだろう。
また、先週末にレッドブルリンクで開催された2023年F1第10戦オーストリアGPで勝利し、F1キャリア通算勝利数を42に伸ばしたフェルスタッペンは、ついに伝説的F1ドライバーであるアイルトン・セナの記録を追い抜いて、F1通算勝利数では単独5位に浮上している。
そのことについてオーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』から質問された25歳のフェルスタッペンは、次のように答えている。
「僕がまだ小さかった時は、自分がどこまで行けるかなんて考えもしなかったよ」
「だけど、今はレース数も増えているしね」
「もちろん、いいチームといいマシンも必要だよ。だから、今それらを手にすることができているのは幸運なことだよ」
■フェルスタッペンが残りのレースを全勝する可能性も
実際のところ、2023年のF1もここまでに9レースを消化しているが、そのうち7勝をフェルスタッペンが、残りの2勝をチームメートのセルジオ・ペレスがあげており、まだレッドブル以外のドライバーが表彰台の中央に立ったことはない。
そして、完璧とも言える現在のフェルスタッペンの調子を見れば、このままフェルスタッペンが残りの13レース全てを制する可能性もあると考えられている。
その可能性について質問されたフェルスタッペンは、次のように答えた。
「チームとしては、当然今年のレース全てで優勝したいと思っているよ。だけど、それは簡単ではないだろうね。これからまだ何レースか残っているし、ミスが起こる可能性は常にあるからね」
「もちろん、僕たちはタイトルを獲りたいとも思っている。だけど、僕は(2021年の)アブダビGPの後、すでに言ったんだ。これから得られるものは全てボーナスだとね」
■フェルスタッペンはライバルたちに援護されている?
セナの記録を超えた今、今後フェルスタッペンが追いかけることになるのは、アラン・プロスト(51勝)、セバスチャン・ベッテル(53勝)、ミハエル・シューマッハ(91勝)、そしてルイス・ハミルトン(103勝)の4人だ。
仮にフェルスタッペンが今季の残り13レース全てで勝利すれば、通算勝利数は55勝となり、一気にプロストとベッテルの記録を追い抜いて歴代単独3位にまで浮上することになる。
「僕はこれまで60勝したいとか、70勝したいとか、103勝したいなどと言ったことは一度もないよ」
「それは常に最高のマシンがあっての話だし、運だって必要だからね」
そう語ったフェルスタッペンは、次のように付け加えている。
「彼らはみんなすごく接近している。先週末はフェラーリが少し速かったみたいだし、ランド(ノリス)もすごく速かった。でも、全てのレースで僕らの後ろには違うチームがいて、彼らが互いにポイントを奪い合ってくれているんだ」。