元F1ドライバーであり、現在はF1オランダGPの運営責任者を務めているヤン・ラマースは、現在のF1はスポーツからエンターテインメントやショーの方向へどんどん向かいつつあると考えている。
■フェルスタッペンも最近のF1の変化に批判的
現F1チャンピオンであるオランダ出身のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、今週末にバクーで行われる今季のF1第4戦アゼルバイジャンGP(30日決勝)において、「スプリント」のための新たな予選が追加されることに対して批判的だ。
25歳のフェルスタッペンは、最近次のように語っている。
「あまりにも多くの変化がないことを願うよ。そうでなければ、僕はあまり長くはいないだろうね」
■見せ場を増やす方向に向かっているF1
現在66歳のラマースもオランダの後輩ドライバーであるフェルスタッペンと同じように感じているようだ。
「私は、グランプリが日曜日のレースに向けてどのように構築されていくのかを見るのが好きな世代に属しているんだ」
『NOS(オランダ放送協会)』にそう語ったラマースは、次のように続けた。
「今、彼らがやっていることは、新たなターゲットグループに対して週末にさらにワクワクする瞬間を与えることだよ。私はそれを1週間に2試合が行われるサッカーのチャンピオンズリーグと比較している。減ることはなく、増えるだけだ」
「F1も同じ方向に向かっているよ」
■金曜日が退屈なのは事実だが・・・
しかし、ラマースも、金曜日には2回のフリー走行セッションが行われるだけの従来のやり方は、しばしば「眠気を誘う」ものであることも事実だと認めている。
「そこに決勝の予選を置くことで、すぐに椅子から身を乗り出すことになるだろうね」
そう語ったラマースはそう語ると、次のように付け加えた。
「しかし、それでも私はこのスポーツがますますエンターテインメントの方向に向かっていると感じているよ」
■本当のポールポジションはひとつだけ
ラマースが心配していることのひとつは、2回の予選が行われることで、ポールポジションの価値が低くなるのではないかということだ。
「私にとって、ポールポジションは最上のものなんだ。土曜日のスプリントレースに向けてポールポジションを取ればスクラップブックに貼るにはいいだろう。だが、本物のポールはひとつしかないんだ。日曜日のレースのためのね」
■DRSも好きではないラマース
「しかし、私はDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)についても同じように考えているよ」
「マックス・フェルスタッペンをオーバーテイクしたと言える者もいるだろう。だが、私は彼がDRSなしでそうするのを見たいよ」
1980年代前半を中心に、F1で23レースを戦った経験を持つラマースはそう語ると、次のように付け加えている。
「もう一度言うが、ここで若いF1ファンが考慮されていることは私にも理解できる。だが個人的には、私がそれに慣れるしかないんだろうね」。