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【アストンマーティンF1】ライバルに対して圧倒的な開発アドバンテージがあるとトップエンジニア

2023年04月10日(月)17:33 pm

アストンマーティンのパフォーマンスエンジニアリングディレクターを務めるトム・マッカローが、ライバルであるレッドブル、フェラーリ、メルセデスと戦うために、自分たちが持つ“アドバンテージ”をできる限り利用するつもりだと語った。

■大きなアドバンテージを持つ今年のアストンマーティン

2023年のアストンマーティンは、フェルナンド・アロンソが3戦連続で3位表彰台を獲得するなど、予想外とも言える活躍を見せており、現時点ではメルセデス、フェラーリを抑えてコンストラクターズランキング2番手につけている。

そして、そのアストンマーティンが今後さらにライバルたちよりもパフォーマンスを向上させていく可能性もありそうだ。

それは、2022年シーズンにコンストラクターズランキング7位に沈んだことにより、2023年のアストンマーティンはほかのトップチームたちよりも多く風洞テストを行うことができるという“アドバンテージ”があるためだ。

ちなみに、2022年のコンストラクターズランキング7位のアストンマーティンに認められる風洞時間を100とすると、コンストラクターズチャンピオンのレッドブルの風洞は70パーセント、2位のフェラーリは75パーセント、3位のメルセデスは80パーセントという具合になる。

さらに、レッドブルは2021年シーズンのバジェットキャップ違反によってさらに10パーセントの風洞時間削減ペナルティーが2023年に科されており、アストンマーティンの約57パーセントとなる風洞時間しか使えないことになっている。

■そのアドバンテージをうまく利用するつもりだとマッカロー

「それは間違いなくアドバンテージであり、我々はできる限りそれを利用するつもりだ」

スペインの日刊スポーツ紙『AS』にそう語ったマッカローは、次のように続けた。

「時間があればあるほど、より多くのセッションを行うことができ、より多くのことを分析することができる」

「我々は毎週、コスト上限を考慮しながら、風洞の中で大きな利益をもたらすことができる開発の道筋を探っているところだ」

「パーツはバクーから投入していく予定だ。それが現時点において誰もが実際にやっているプロセスだよ」

■コーナー速度に自信を持つアストンマーティン

実際のところ、現時点におけるF1マシンの純粋なスピードという面では、アストンマーティン、フェラーリ、メルセデスの間にはほとんど差はないと考えられているようだ。

だが、現在トップに立っている現チャンピオンチームのレッドブルがライバルたちよりも頭ひとつ抜け出ているも間違いない。

しかし、マッカローは、今後レッドブルに挑戦することができるチームが出てくるとすれば、それはアストンマーティンの可能性が高いと考えているようだ。

マッカローは、アストンマーティン2023年型F1マシンである『AMR23』はもっと速くなるはずだし、コーナーが多いサーキットは自分たちのマシンに合うはずだとほのめかしている。

「メルセデス、フェラーリ、そして我々は、テストからずっと僅差できている」

「効率性、低速カーブ、中速カーブ、高速カーブの間には小さな違いがあるんだ。各マシンは似たようなタイムを出しているが、彼らは異なるやり方でそれを達成しているんだ」

「いずれにせよ、シングルシーター(F1マシン)の傾向は、支出上限による戦略的判断の結果である可能性がある。だから、F1がより多様なサーキットを訪れるのを待つ必要がある。我々のマシンは、ストレートでの速さよりも、コーナーでの速さが際立っているんだ」

最近、アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックが、曲がりくねったモンテカルロ市街地サーキットで開催される第7戦モナコGP(5月28日決勝)で勝利を狙うつもりだとコメントしたのも、そうした自信の表れだろう。

■次戦アゼルバイジャンGPでは新リアウイングを投入

「昨年は、多くのサーキットそれぞれで最適なもの使うために、たくさんのリアウイングを用意していた。だが、それは非常に金がかかるんだ。今年は3レースとも同じウイングを使用したよ」

そう続けたイギリス出身エンジニアのマッカローは、次のように付け加えている。

「高い効率性が求められるバクー(次戦アゼルバイジャンGP/30日決勝)では(新しい)リアウイングを導入する予定だが、我々はコスト上限という観点からすべてを計画しているよ」。

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