2023年のF1はここまでに3レースを消化しているが、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソがその全てで3位表彰台を獲得する活躍を見せている。
そして、2005年と2006年のF1チャンピオンであるアロンソと、今季大躍進を遂げているアストンマーティンが次に狙うのは“勝利”だ。
●【2023年F1チャンピオンシップ・ランキング】第3戦F1オーストラリアGP終了後
■もっと魔法のようなことができるサーキットもある
昨年からアストンマーティンのチーム代表を務めているマイク・クラックは、今年アルピーヌから移籍してきた41歳のアロンソに言及しながら次のように語った。
「このドライバーとこのクルマの組み合わせによって、さらに魔法のようなことができるサーキットもいくつかあると思う」
現在2023年のF1選手権をリードしているレッドブルとアストンマーティンの差は1周あたりコンマ7秒から1秒だと考えられている。しかし、アロンソの乗るアストンマーティンF1マシンがここまでメルセデスやフェラーリとは互角以上の戦いをしてきたのは事実だ。
それゆえ、アロンソとアストンマーティンが表彰台の中央を目指すのは、それほど無理な話ではないかもしれない。
■バクーではそのチャンスはないとティモ・グロック
しかし、元F1ドライバーのティモ・グロックは、次戦アゼルバイジャンGP(30日決勝)の舞台となるバクー市街地サーキットでは、アストンマーティンに勝利のチャンスはないと考えている。
「バクーにはもっとコーナーがあり、長いストレートもあるので、レッドブルのDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)が効果を生むだろう」
母国ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語った41歳のグロックは、次のように続けた。
「僕は、バクーではレッドブルがほかのマシンとの差をさらに広げると思っているよ」
「問題は、誰が最初のアップデートを持ち込むか、そしてそれがどういう効果を示すかだ」
■モナコでは「狙っていく」とクラック
かつてBMWのモータースポーツ責任者として活躍した経歴を持つ51歳のクラックによると、アストンマーティンが勝つための最初の大きなチャンスはが5月下旬に訪れるかもしれないという。
『DAZN(ダゾーン)』から、レースで勝利する可能性について質問されたルクセンブルク出身のクラックは、次のように答えている。
「モナコ(第7戦/5月28日決勝)で狙うつもりだよ」
「我々は非常に長いストレートでは十分ではないし、それは秘密でもなんでもない」
「我々はそれを認識しているし、懸命に取り組む必要がある」
「だが、このことがあまり影響しないサーキットでは、我々は自信を強めることができる。速く走り、完走し、ミスをしないようにしなくてはならない。その上で、結果がどうなるか様子を見ることになるよ」
■今後も“ビッグ3”に挑み続けるアストンマーティン
だが、クラックもシーズンが進むにつれて、“ビッグ3”とも称されるレッドブル、メルセデス、フェラーリがさらに戦闘力を高めてくるのは間違いないと考えている。
「クルマはいいんだ。最初の3レースは競争力があったし、それは確かだと言えると思う」
「これからはほかのチームとの開発レースになるし、大物たちに遅れずについて行くのは難しいだろうね」
「我々は小規模チームと戦っているのではない。我々が戦っているのは、素晴らしいインフラを持ち、非常に経験がある非常に大きなチームたちなんだ」
そう語ったクラックは、次のように付け加えた。
「だが、我々は戦うよ」