メルセデスF1チームの代表を務めるトト・ヴォルフが、フェラーリのチーム代表を解任されたマッティア・ビノットがメルセデスに移籍する可能性があるのではないかとの憶測を否定した。
■フェラーリF1チーム代表としての最後の務めを終えたビノット
28年間にわたってフェラーリの一員として活躍し、2019年からはチーム代表を務めていたビノットだが、今年いっぱいでその職を失うことになっている。
だが、ビノットのフェラーリF1チーム代表としての事実上最後の仕事は、7日(水)にイタリアのボローニャで行われたWMSC(世界モータースポーツ評議会)の会合に出席することだったと考えられている。
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のモハメド・ベン・スレイエム会長も、ビノットがフェラーリを代表してWMSCに姿を見せるのはそれが最後であることを認め、「F1委員会の議員としての彼の貢献に感謝する」と述べている。
■ビノットがライバルチームへ移籍する可能性も
しかし、カナダ生まれのイタリア人である53歳のビノットは優秀な技術者としても知られており、今後ほかのF1チームに移籍する可能性も取り沙汰されている。
そして、現在チーフテクニカルオフィサーの職にあるジェームズ・アリソンを始め、フェラーリから優秀な技術者を何人か迎え入れた実績があるメルセデスもその候補チームのひとつだと考えられている。
■メルセデスのボスはビノット加入を否定
だが、ヴォルフは、ポッドキャスト『Beyond The Grid(ビヨンド・ザ・グリッド)』に対して次のように語り、その可能性を否定している。
「いや、それを可能にするには、この2年間で我々の関係にはあまりにも多くのひびが入りすぎてしまったと私は思っている」
「ほかのチームについては、私には何とも言えない。だが、確かにマッティアはF1を深く理解しているから、ほかのチームで役割を見つけられるかもしれないね」
ヴォルフは、フェラーリF1チームのリーダーという役割は毒の入った杯のような面もあると認めながらも、ビノットは「私が考えていたよりも長くそのポジションを維持していたよ」と付け加えている。