2021年と2022年に2年連続でF1チャンピオンとなったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、チームメートのセルジオ・ペレスをチームから追い出そうとしているようだとの噂に反論した。
■ペレスのランキング2位確保に非協力的だったフェルスタッペン
2022年のF1第21戦ブラジルGP決勝では、ペレスにドライバーズランキング2位を獲得させようとするチームが、フェルスタッペンにペレスを前に出すよう指示を出した。ところが、フェルスタッペンがこれを拒否したことから、一気にレッドブル内に不和が生じているようだとの推測がささやかれる事態となってしまった。
レッドブルは、この問題に関してはチーム内で話し合いをして解決済みだと主張している。しかし、結局のところ、最終戦アブダビGPではライバルのシャルル・ルクレール(フェラーリ)が2位、ペレスが3位となったことで、ペレスが年間ランキング2位を確保することはできなかった。
こうした経緯を受け、ペレスの父親であるアントニオは次のように語り、フェルスタッペンを批判している。
「これは1人だけのための戦いではなく、彼ら2人のための戦いなんだ。チームにとって、(年間ランキング)1-2フィニッシュを達成できなかったことは大きな痛手だ」
■リカルドとの契約がペレスに及ぼす影響は?
また、レッドブルが最近、かつて2018年まで在籍していたダニエル・リカルドを2023年のサードドライバーに起用したことを明らかにしたが、それがまた新たな噂を呼ぶことにもなっている。
それは、レッドブルがペレスに替えてリカルドをフルタイムドライバーとして起用するつもりなのではないかというものだ。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは今週、そうした噂に対して次のように語った。
「ダニエルの契約には非常に特別な理由があるんだ」
「チェコ(ペレスの愛称)とは今後2年間の契約を結んでいるし、彼は今年いい進歩を見せた」
「彼らは2人ともチームのために驚くべき仕事をしてきたし、チームとの契約期間中にそれが変わると考える理由はないよ」
■ペレスとの関係は“良好”だと主張するフェルスタッペン
だが、ドイツの『Sport1(シュポルト1)』は今週、25歳のオランダ人ドライバーであるフェルスタッペンがペレスに替えてリカルドを起用するよう積極的にチームに働きかけているようだと報じている。
だが、フェルスタッペンはその噂を否定し、『Viaplay(ヴィアプレイ)』に次のように語った
「僕たちの関係は良好だよ。実際のところ、これまでもずっとそうだったんだ」
ブラジルGPでフェルスタッペンがペレスに順位を譲らなかったのは、今季のF1第7戦モナコGP予選Q3でペレスが故意にクラッシュしたことに対するフェルスタッペンの“仕返し”だとも報じられている。
■ブラジルでのことは説明しても理解されない
実際のところ、ブラジルで起こったことは何が原因だったのか尋ねられたフェルスタッペンは次のように続けた。
「もし僕がそれを説明しても、それでもみんなは理解しないだろうね」
「彼らはシーズン中に舞台裏で何が起こっているのかを理解していないんだ。みんなは僕がチームプレーヤーじゃないと思っているけれど、僕はとてもオープンだよ」
フェルスタッペンは、そのひとつの例として、マシンのセットアップに関してはペレスとも共有されているという。
「僕はいつもGP(ジャンピエロ・ランビアーズ/レースエンジニア)と一緒にセットアップを行うんだ。そして、それは通常もう一方のガレージでも利用されているよ」
「何も言われないけど、チーム内ではそれで問題ないんだ。2台ともよくなくてはならないからね」
そう語ったフェルスタッペンは、次のように付け加えた。
「僕は決して言いたいことを隠してなんていないよ」。