ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、F1はすでにマックス・フェルスタッペン時代を迎えていると語った。
■フェルスタッペンが今のF1の勝利者だとシュタイナー
シュタイナーは、全22戦で争われている2022年シーズンが20戦を終えた時点ですでに14勝をあげるという活躍を見せているフェルスタッペン(レッドブル)の強さは、ミハエル・シューマッハ、セバスチャン・ベッテル(現アストンマーティン)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が圧倒的な強さを見せていた時代を思い起こさせるものだとドイツのテレビ局『n-tv』に次のように語った。
「どの時代にもチャンピオンがいる。この時代は、まさにマックスだ」
「ミハエルがいたときは、それはミハエルだった」
「今、我々はその時代の真っただ中にいる」
「彼には才能があるし、活力がある。彼はまさに現時点での勝利者だよ」
■打倒フェルスタッペンは当分難しい?
来年、フェルスタッペンの優位性に挑戦する可能性のあるドライバーについて質問されたシュタイナーは、次のように答えている。
「シャルル・ルクレール(フェラーリ)のドライビングスキルは、現時点では非常に優れていると私は思っている」
「しかし、彼はまだミスを犯すことがある。少しばかり多すぎるミスをね。そして、マックスはどこへ行ってもミスをしない」
「マックスは今まさに波に乗っているし、そこから降りたいとは思っていないよ」
■フェルスタッペンのレースは退屈なだけではない
一方、フェルスタッペンがあまりにも圧倒的な強さを示すことで、F1はすでに“退屈”なものになったという声もある。とりわけ、ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンがライバルたちに大きな差をつけてトップチェッカーを受けた先週末のメキシコGPは、上位ドライバーの順位変動がほとんどなかったこともあって、退屈なレースだったと感じた者も少なくなかったようだ。
それについて質問されたレッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』に次のように答えている。
「残念ながら、我々としてはそれを考慮することはできないよ」
「そのほかの点に関しては、マックスは決して退屈なレースをしているわけではないよ。例えばオーストリアでは、彼のレースは最高視聴率という報いを得ているんだ」
■2022年シーズンの展開は驚きだったとマルコ
そう語った79歳のマルコだが、フェルスタッペンとレッドブルの現在の強さが2023年にもそのまま同じように持ち越されるとは考えていないようだ。
「我々は物事に現実的に取り組んでいるよ」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「今シーズンの展開はまさに驚くべきことだった。マックスがこれほどまでに調子を上げるとは予想もできなかっただろう。残念ながら1シーズン19勝には足りないがね」
マルコが言及した1シーズン19勝というのは、メルセデスが2016年に記録したものだ。
■2023年も同じようなことが起こるとは考えられない
レッドブルは2023年にその記録を狙う可能性があるのではないかと質問されたマルコは、「もう1シーズン、すべてがこのようにうまく収まる可能性は、ほとんど考えられないよ」と答えたものの、25歳のフェルスタッペンにはまだ成長の余地があると次のように付け加えた。
「しかし、マックスはまだ成長の終わりを迎えていないんだ。彼はさらに成熟し、速くなり、タイヤに優しくなっている。改善の余地はまだ信じられないほどあるよ」。