レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、2021年にチーム予算上限を超えたことによるペナルティーを受けても、チームの今後の競争力に与える影響はそれほどないと示唆した。
■700万ドルの罰金と風洞時間10パーセント削減が科されたレッドブル
レッドブルは、1億4500万ドル(現在のレートで約215億円)と設定されていた年間チーム予算上限をオーバーしていたと認定されたものの、それは“軽微”なものだったと伝えられている。
そして、それに対して、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)がレッドブルに与えたペナルティーは700万ドル(約10億円)の罰金と2023年シーズン中の風洞時間の10パーセント削減だった。
■ペナルティーはレッドブルの予算削減の方が好ましかったとハースのボス
だが、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、レッドブルにとってはその程度のペナルティーはあまり痛手ではないはずだと考えている。
「700万ドルは大金だ。だが、それが彼らを傷つけることはないだろう」
ドイツの放送局『n-tv』にそう語ったシュタイナーは、次のように付け加えた。
「もし、来年は予算上限がほかのすべてのチームより500万ドル(約7億4000万円)少なくなるとされていたら、私はただ数字を言っているだけだが、その場合にはマシンの開発に実害が出るだろう」
■風洞時間削減もあまり意味はない?
さらに、シュタイナーにとっては、風洞時間の10パーセント削減もそれがレッドブルにとって「本当に効果のある」ペナルティーになるとは思えないようだ。
「レッドブルには、それを補うだけの力がある。彼らは何かほかのことをすればいいだけだよ」
「彼らにとっては、どこか別のところで開発するチャンスもまだある。だから、開発はまったく止まらないよ。マシンの別のエリアに移動しただけさ」
そう述べたシュタイナーは、次のように付け加えた。
「代わりに重量に取り組むこともできる。金があれば非常に多くのことができるからね」
■シュタイナーの読みは的確?マルコも同様のコメント
興味深いことに、レッドブルのマルコもシュタイナーと同じようなコメントを行っている。
「こうしたことによって我々がコースから外れたりするようなことはないよ」
「我々を、それをモチベーションで補うんだ」
「それに、風洞作業(ペナルティー)をほかの活動、例えば軽量化やサスペンション戦略などで軽減することもできる。これらは論理的帰結だよ」
母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』にそう語った79歳のマルコは、次のように付け加えた。
「我々はさらに、経理や法務部門でも調整をしているところだ」。