FIA(F1統括団体である国際自動車連盟)は16日(火)、今年のF1マシンの課題となっているポーポイズ現象(高速走行時にマシンが激しく上下に振動すること)対策のための新たな技術ルールと、ロールフープ(ロールバー)に関する新ルールが承認されたことを明らかにした。
FIAはすでに、夏休み明けに行われる今季のF1第14戦ベルギーGP(28日決勝)から適用されるポーポイズ現象対策技術ガイドラインを各チームに通達していた。
そして、このほど、それに加えてマシンの厚み測定穴周辺のプランクとスキッドの剛性要件を再定義する変更も承認されている。このルール変更はベルギーGPから今季の最終戦アブダビGPまで適用されることになる。
一方、2023年には、次のようなルール変更が行われることになっている。
■車高アップやセンサー追加が義務化
●フロアエッジの高さを現在のルールより15mmアップ
●ディフューザー・スロート高の引き上げ
●ディフューザー・エッジの剛性アップ
●ポーポイズ現象をより正確に監視するためのセンサー追加
■周冠宇のクラッシュを受けてロールフープの安全基準も変更
さらに、今季のF1第10戦イギリスGP(7月3日決勝)のスタート時に発生した周冠宇(アルファロメオ)のクラッシュを受けて、F1マシンのロールフープの安全基準に関する変更も承認され、2023年の技術レギュレーションに以下の点が加えられることも決定している。
●ロールフープの上部を丸くすること
●ホモロゲーション(承認)テスト時に、荷重がロールフープを前方に押す物理的テストを導入
上記のロールフープの形状規定に関しては、マシンが裏返しになるような事故が発生した場合にロールフープが地面に食い込んでドライバーの頭部にダメージを与えるリスクを減らすためだ。
また、FIAは中期的な目標として、将来のF1マシンがより大きな負荷に耐えられるように、2024年にはロールフープの安全性テストを「大幅に見直す」ことも計画しているという。