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【アルピーヌF1】ピアストリの裏にブリアトーレ? アルピーヌは誠実すぎた? 情報共有や裏取引の疑いも「証拠はないがこれがF1。約束を破るなんてあり得ないよ」

2022年08月10日(水)15:10 pm

最近モータースポーツ関係メディアを賑わせることになったオスカー・ピアストリ(アルピーヌ/リザーブドライバー)の問題だが、これに関してはフェルナンド・アロンソ、マーク・ウェバー、フラビオ・ブリアトーレの3人が「情報を共有」していたのではないかとのうわさもささやかれているようだ。

■突然起こったアルピーヌにまつわる不可解な動き

かつてベネトンやルノーのチーム代表を務めた経験を持つブリアトーレは、現在もアロンソのマネジメントに関わっていることが知られている。そのアロンソは、現在所属しているアルピーヌから2023年シーズンに向けて1年間の契約延長をオファーされたものの、これを拒否し、アストンマーティンと2023年から複数年契約を結んだことを明らかにした。

今年限りでアロンソがチームを抜けることが明らかとなったアルピーヌは、即座にこれに反応し、現在リザーブドライバーを務めている2021年のF2チャンピオンであるオスカー・ピアストリを2023年にエステバン・オコンのチームメートとして起用することを発表。

ところが、同じオーストラリア出身の元F1ドライバーであるウェバーがマネジメントを担当しているピアストリは、そのアルピーヌの発表を否定し、自分が2023年にアルピーヌで走ることはないと宣言してしまったのだ。

アロンソが突然アストンマーティンへの移籍を発表したのを引き金にしたように、このピアストリ問題が起こってしまったわけだが、F1関係者の中には、アルピーヌは、アロンソ、ウェバー、そしてブリアトーレらの裏取引によって、完全に出し抜かれたのではないかと疑っている者もいるようだ。

■アルピーヌはアロンソとピアストリにとってベストな解決策を探していた

こうした中、アルピーヌのチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーは、今回の件についてチームCEOのローラン・ロッシの名前をあげながら次のように語った。

「ローラン・ロッシがやろうとしていたことは、どちらのドライバーにとってもベストなことだったんだ」

「我々はフェルナンドと続けることを望んでいた。そして、オスカーも2023年のシートを望んでいた。ローランはOKを出し、彼に来年のシートを見つけようと懸命に取り組んできていたんだ」

アルピーヌはピアストリをウィリアムズにレンタル移籍させる計画を進めていたと考えられている。

「我々は、彼らのどちらともゲームをすることなく、どちらのドライバーにとってもベストなことをしようとしていた。我々は彼らとは透明性を保っていたよ」

「彼らはどういうことが行われているのかを知っていたんだ。残念ながら、アロンソはアストンマーティンと契約した。そして、その理由は私にも理解できる。でもピアストリに関してはそうではないよ」

■「情報共有」や「裏取引」の証拠はない

うわさされているように、アルピーヌが見えないところで行われていた情報共有と裏取引によって出し抜かれてしまった可能性もあると思うかと質問されたサフナウアーは、アロンソの母国スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に次のように答えた。

「いいかい、私はその証拠は持っていないよ。しかし、これはF1なんだ。数年経ってから誰かが情報共有の証拠があると言っても、私は驚かないだろうね」

「私はいつも皆にF1では誰もが全てを知っているかのように振る舞わなければならないと言うんだ。こうしたことに秘密はないんだとね」

■ピアストリの姿勢を批判するサフナウアー

アルピーヌではピアストリに対して法的手続きをとる可能性すら示唆しているが、いずれにしてもアルピーヌとピアストリの関係が事実上破綻状態に陥ってしまったのは確かだろう。

ピアストリは2020年の1月にルノーとアカデミードライバー契約を結び、チーム名がアルピーヌと変わった2021年もシーズン後テストに参加するチャンスが与えられ、2022年には正式にリザーブドライバー契約を結んでいた。

この間、ルノー、そしてアルピーヌが、将来有望な若手ドライバーであるピアストリをF1デビューさせるための準備に大きな投資をしてきたのは確かだ。だが、ピアストリはそのアルピーヌからF1デビューをオファーされながら、SNSを通じてそれを否定するという前代未聞とも言える動きに出たのだ。

昨年まではアストンマーティンのチーム代表を務めていたサフナウアーとピアストリが一緒に仕事をした期間がそれほど長くないのは確かだろうが、サフナウアーとしては今回のピアストリの姿勢にはかなり立腹しているようだ。

「ピアストリには、もっと忠誠心を期待していたよ」

そう語ったサフナウアーは次のように続けた。

「チームとして、彼の面倒を見て、彼を世界選手権に連れて行った。そして何よりも、彼に準備を整えさせ、サーキットを覚えさせようとF1マシンに乗せていたんだ」

「私はオスカーに、彼が示している以上の忠誠心を期待していた。私は1989年にF1活動を始めたが、こんなことは一度も目にしたことがないよ。そして、それはF1だけでなく、人間としての誠実さの問題でもあるんだ」

そう語ったルーマニア生まれで現在はアメリカ国籍を持つ57歳のサフナウアーは、次のように付け加えた。

「私が育った環境では、『ねぇ、今日は僕を助けてよ。明日は僕が君を助けるから』と言ったら、その約束を破ることなどあり得ないんだ。絶対にね」

ともあれ、うわさによれば、マクラーレンはすでにダニエル・リカルドに対して、2023年にはピアストリを後任ドライバーとして起用することを伝えているとも言われている。そして、リカルドがピアストリと入れ替わりに2019年から2020年まで在籍したエンストンにファクトリーを構えるチームに復帰する可能性もあるのではないかと考えられているようだ。

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