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【メルセデス】ポーポイズ現象解消のための技術ガイドラインが適応されるF1ベルギーGPは「興味深いものになる」

2022年08月10日(水)15:01 pm

メルセデスのチームCEO兼代表であるトト・ヴォルフが、夏休み明け最初のレースである今季のF1第14戦ベルギーGP(28日決勝)は「興味深い」ものになるだろうと語った。

■ポーポイズ現象対策技術ガイドラインが適用されるベルギーGP

今年のF1マシンはシャシー自体がダウンフォースを発生する“グラウンドエフェクト効果”を持つものとなっているが、その副作用とも言うべきポーポイズ現象(高速走行時にマシンが上下に激しく振動すること)に悩まされてきていた。

そして、メルセデスのヴォルフは、これを放っておけばドライバーの健康や安全を脅かすリスクがあるとして統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に対して、この問題を抑制するためのルールが必要だと強く訴えかけてきていた。

FIAは、第9戦カナダGPの前にその対策案となる技術ガイドラインを定めていたが、その後ほかのチームたちから疑問の声があがったことなどによりその適用がずれこんできていた。そして、今月末にスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されるベルギーGPで初めてそのガイドラインが適用されることになっている。

■2023年にはより強化した技術ルール導入を目指すFIA

実際のところ、2023年にはこの問題に関しては技術レギュレーションそのものが修正される計画となっており、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、これについては今週行われる世界モータースポーツ評議会で可決されることになるだろうと次のように語っている。

「20人のF1ドライバー全員、そして10人のチーム代表者たちとポーポイズ現象問題について話し合った結果、これに対応するために今週世界モータースポーツ評議会に改訂版2023年技術規則を提出することになる」

ベン・スレイエムは、2023年の技術変更は「今シーズンの残りのためにすでに設けられている措置」以上のものになるとしており、現時点でライバルたちに大きな差をつけているフェラーリやレッドブルは、そのルール変更によって自分たちのアドバンテージが失われることになるだろうと懸念している。

■メルセデスもすでにポーポイズ現象は克服

FIAがこのポーポイズ現象問題対策に腰を上げたのは、第8戦アゼルバイジャンGP決勝後にメルセデスのルイス・ハミルトンが強い身体の痛みを訴えたことなどが引き金となったと考えられている。

しかし、その後の数レースを通じてメルセデスF1マシンもこの問題への対応が進んできているのも事実だ。ヴォルフはドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に対し、自分たちは夏休みに入る前にこの現象を「解消した」と認めている。

「スペイン以降、我々はマシンをよりよく理解し始めた。だが、開発に関してはライバルたちより数か月遅れているよ」

そう語ったヴォルフは、メルセデスはまだ「フェラーリやレッドブルに本当に挑戦できるところにまではきていない」と付け加えている。

■技術ガイドラインがライバルたちに及ぼす影響に注目するメルセデス

そのヴォルフが、ベルギーGPから運用が開始されるポーポイズ現象対策のための技術ガイドラインがフェラーリやレッドブルに与える影響に関して非常に注目しているのは確かだ。

「車高の違いが、あれだけの低さで走るチームに違いをもたらすかどうか様子を見てみよう」

フェラーリとレッドブルのF1マシンのフロアが柔軟すぎるのではないかとの疑問を呈しているヴォルフは、そう語ると次のように付け加えた。

「それによって我々が突然ほかの誰よりもコンマ3秒も速くなるとは思っていないよ。だが、興味深いものになるだろうね」

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