今季のF1第16戦として9月11日(日)に決勝が予定されているイタリアGPだが、地元プロモーターは、今年は過去最多となる32万人の観客動員を目指しているようだ。
『Netflix(ネットフリックス)』によるF1ドキュメンタリー・シリーズが世界的にヒットしたことなどもあり、今年はF1人気がかなりの高まりを見せている。
それに加え、世界的に新型コロナウイルスに関する制限が緩和されてきていることで、これまでに開催されたF1グランプリにはかなりの観客が訪れている。
■通算100年目の「グランプリ開催」を迎えるモンツァ
こうした中、現時点ではかなり厳しい状況になってきているとは言え、イタリアGPの舞台となる今年のモンツァ・サーキットは“ティフォジ”と呼ばれる熱狂的フェラーリファンで埋め尽くされることになると期待されている。
イタリアGPのプロモーターである『ACI(イタリア自動車クラブ)』の会長を務めるアンジェロ・スティッキ=ダミアーニは、次のように語っている。
「入場できない者がでないように、現在も仮設スタンドの拡張を続けているところだ」
とりわけ、今年のイタリアGPはモンツァ・サーキットにとって特別なものとなる。
F1世界選手権が現在の形となったのは1950年のことだが、「グランプリ」と呼ばれる四輪レースがフランスで始まったのが1906年であり、それ以降ヨーロッパ各地で「グランプリ」が開催されるようになり、モンツァでも1922年から「グランプリ」を開催していたのだ。そして、そこから数えると、唯一F1が開催されなかった1980年を除けば、今年はモンツァにとって記念すべき通算100年目のグランプリ開催となるわけだ。
■32万人の観客動員を目指すプロモーター
「モンツァGPの数字はすでに並外れたものだ」
イタリア放送協会『RAI』にそう語ったスティッキ=ダミアーニは次のように付け加えた。
「我々は週末を通じて32万人の観客動員を目指している。これはかつてない数字だよ」
だが、フェラーリから2007年のキミ・ライコネン以来となるF1チャンピオンが誕生することが期待されている今年だが、先週末に開催された第12戦フランスGP決勝でシャルル・ルクレールが痛恨のクラッシュを喫したことで、ランキングトップのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)との差は63ポイントに開いてしまっている。
もちろん、これはフェラーリばかりでなく、イタリアGPをプロモートするACIにとっても痛手なのは確かだ。
■「ルクレールはさらに強くなる」とACI会長
「残念ながら、そういうことも起こるんだ」
「ミスをすると、ルクレールのような完璧なドライバーも、少なくとも人間らしく見えてしまうものだ」
「私の考えだが、彼はドライバーとして、より強くなるよ」
そう語った1945年生まれのスティッキ=ダミアーニは次のように付け加えた。
「だから、私は期待し続ける。フェラーリのF1チャンピオンがいないのは非常にさびしいことだからね」。