アルピーヌとウィリアムズの2023年のドライバーズラインアップがどうなるのか、おぼろげながら、見え始めてきたようだ。
フランスを代表する自動車会社ルノーのワークスF1チームであるアルピーヌは、すでにフランス人ドライバーのエステバン・オコンと2024年までの契約を交わしている。
問題は、現在の契約が今年で切れるフェルナンド・アロンソが2023年もアルピーヌのシートを確保できるのかどうかだ。噂では、アルピーヌでは現在リザーブドライバーを務めている2021年のF2チャンピオンであるオスカー・ピアストリの起用を検討していると言われてきている。
■アロンソのアルピーヌ残留が濃厚に?
だが、最近になって、今年はシーズン序盤こそポイントに結びつかないレースが多かったものの、母国で行われた第6戦スペインGP以降、3レース連続でポイントを獲得した40歳のアロンソが2023年もアルピーヌのシートを確保する可能性が高くなってきたと考えられるようになってきている。
それにはウィリアムズの2023年のドライバー体制が関係してくるようだ。
ウィリアムズは現在カナダ人ドライバーのニコラス・ラティフィと、レッドブルの契約下にあるイギリス生まれのタイ国籍ドライバーのアレクサンダー・アルボンのコンビで戦っているが、F1関係者の間では、レッドブルが2023年もアルボンをウィリアムズで走らせる可能性が高いと考えられているようだ。
その一方で、ウィリアムズで3年目のF1シーズンを迎えているラティフィに関しては今季限りでシートを失うのがほぼ確実だと考えられるようになっており、2023年にはアルピーヌがラティフィの後任としてピアストリをウィリアムズにレンタル移籍させる可能性が高くなったとの噂が強くささやかれるようになってきているのだ。
そうすれば、アルピーヌとしては、経験と実績を持つアロンソをキープしつつ、将来が嘱望される21歳のオーストラリア出身ドライバーであるピアストリにもF1での経験を積ませることができるわけだ。
■「改善し続ける必要がある」と認めるラティフィ
カナダの実業家である父親が経営する会社を通じてかなりの資金をチームに持ち込んでいるラティフィだが、今季はまだ1ポイントも獲得できず、現時点ではドライバーズランキング最下位に位置している。
さらに、ラティフィはミスをしてクラッシュすることも多く、今年を最後にF1キャリアにピリオドが打たれる可能性がかなり高くなってきていることは自分自身でもよくわかっているようだ。
「間違いなく、僕はプレッシャーを感じているよ。だけど、それは来年の契約を持っていないドライバーならみんな同じだと思うよ」
そう語った26歳のラティフィは次のように付け加えた。
「自分が改善しなくてはならないことはわかっている。僕は改善したいと思っている。現状には満足できていないし、改善のための歩みを続けられるよう取り組むだけだよ」
■「僕にはピアストリにない強みがある」とアロンソ
一時は、2023年に向けてアストンマーティンと交渉を行っているようだとの噂もあったアロンソだが、現在では自分がアルピーヌに留まることになるという手応えを感じているようだ。
「僕に競争力があり、旅が苦にならなければ、止める理由はないだろう?」
イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』にそう語ったアロンソは次のように続けた。
「オスカーは優秀だし、チームは自由に僕たちをテストすることができる。でも、彼ら(アルピーヌ)は僕に何ができるかを知っているんだ。僕にはもう証明すべきことなどないと思っているよ」
「それだけでなく、僕はサーキットのこと、そしてそれらがどのように変化するのかを知っているという強みがある。それは、重要なことだからね」
「僕は25歳のときからあまり変わっていないんだ。全体的な姿勢、パフォーマンスを超える探求、レース運営の判断に公平性を求めることなどね」
「僕は常にリベンジしたいという欲求を抱いているよ」
■正式発表は夏休み前後か?
そう主張したアロンソだが、いずれにしても2023年のことについて発表することができるのはもう少し先になるだろうと次のように付け加えた。
「僕にはあとまだ2年はある。だけど、決定は夏のあたりになるだろうね」。