1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、ダニエル・リカルドが2022年シーズン限りでマクラーレンのシートを失うことになるのは間違いないと考えている。
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■ノリスに差をつけられて低迷するリカルド
2021年にルノーからマクラーレンへと移籍したオーストラリア出身ドライバーのリカルドだが、自分よりも10歳年下のチームメートであるランド・ノリスに大きな差をつけられている。
2022年も現時点ではノリスが48ポイントでドライバーズランキング7番手に位置しているのに対し、リカルドはわずか11ポイントしか獲得できておらず、ランキングも11番手だ。
こうした状況のもと、少し前から、リカルドが今年限りでマクラーレンのシートを失うことになるのではないかとの噂がささやかれるようになっている。
そして、先週末に行われた第7戦モナコGPのフリー走行2回目でもリカルドがクラッシュしてマシンを大破させてしまったことから、その噂にさらに油が注がれた状態となっている。
■リカルドはマクラーレンにとって金がかかるだけのドライバー
「リカルドのマクラーレンでの時間は終わったね」
オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』誌にそう語ったビルヌーブは次のように続けた。
「ザック・ブラウン(マクラーレン・レーシングCEO)はすでに契約に(解除)条項があると言っている。そして、それは基本的に決定していることを意味するものだ」
「それはドライバーにプレッシャーをかけ、メディアを準備させるための方法だよ」
「最終的に、彼はチームに多大なコストをかけるドライバーなんだ。彼はポイントを持ち帰らず、マシン開発のためにチームが必要とするスピードもない。だから、彼がいてもただ金がかかるだけだよ」
「リカルドに給料を払い続けながら彼を自宅のソファに座らせて、別のドライバーをマシンに乗せた方がもっと安くすむだろう」
そう語った51歳のビルヌーブは次のように付け加えた。
「厳しい現実だが、それがF1なんだ」
■このままではF1キャリアすら危うくなるリカルド
これまでにF1で通算8勝した実績を持つ32歳のリカルドだが、マクラーレンのシート喪失が噂される中、2023年に向けてほかのチームと交渉をしているというような情報は伝わってきていない。
全22戦で行われることが確定している2022年のF1シーズンも、すでにここまでに約3分の1が終わっている。リカルドが2023年もF1グリッドに並ぶことができるようにするには、遅くともあと数戦のうちに本来のパフォーマンスを発揮してみせることが必要だろう。