ハースF1がタイトルスポンサーを追われたウラルカリに対して約16億円(1300万ドル)のスポンサーフィー返納を拒否したと報じられたことについて、ロシアの『Match TV(マッチTV)』でF1解説者を務めるアレクセイ・ポポフが非難している。
「彼らがプレッシャーにさらされ、ニキータとの契約を破棄することが不可能だったことは理解している」
「しかし、彼らはウラルカリの資金で昨年1年間を乗り切って、そして今年は良いマシンを作り上げた。だから、今回とは違う行動をとることも可能だったんだ」
実際、ポポフはハースに関する今回の報道について「全くもってショックだ」と言う。
「マゼピンが新しいシャシーを懇願し、スポンサー契約以上の金額を支払って製作したことを思い出してほしい」
「ハースの従業員は給料が低すぎるという理由で退職し、(父親の)ドミトリー・マゼピンが個人的にお金を払って残留させたという話も聞いたことがある」
「そして今は、“私たちは金を受け取った、それは返金しない”だけではなく、“ドライバーがマシンに乗らなくなったとしても、追加で金を払え”と言っているんだ」と、ポポフは付け加えた。
■ハースF1に弁護団が対応?
ロシアとプーチンに対する制裁措置に個人的な名前まで挙げられているニキータ・マゼピンも、金銭問題でハースを非難している。
「大きな問題は、このスポーツにおいて、チームがスポンサーの資金を返さないことが許され、契約条件に違反したからとさらに支払うよう要求していることだ」
「同時に、彼らはロシアからのお金はいらないと言い続けているんだ」
元ロシア人F1ドライバーの元マネージャーでもあるオクサナ・コサチェンコは、ハースの立場からは「不誠実」な臭いがすると言う。
彼女は『Sport-Express(スポルト・エクスプレス)』紙に、「かなり本気の弁護士チームがこれからウラルカリのためにこのプロセスを正すために働いてくれると確信している」と語った。
■諦めないマゼピン、しかし「どうやって戻ればいいのか」
最後に、突然解雇されることになった23歳のマゼピンは、自分がプーチンの「側近」であるという意見に苦笑しながら反論した。
「今はみんなが側近だと思うよ。ビジネスマンもアスリートもアーティストも、みんなクレムリンと日常的に取引しているように見えるが、もちろんそんなことはない」
ロシア人ドライバーは、まだF1への道を諦めたわけではないと言う。
「僕はただ辛抱強く、事態が落ち着くのを待つだけだ。僕も誰と一緒に戻ればいいのか分からない。僕の意見では、明らかにハースチームはベストな行動をとっていなかったからね」。