ハースF1代表のギュンター・シュタイナーは、2022年型マシンが事実上「白いフェラーリ」であるという主張を否定した。
アメリカのハースは、シーズン前にロシアのニキータ・マゼピンやタイトルスポンサーを追放したことに関する論争があったにもかかわらず、新しいレギュレーションにうまく対応させたニューマシンで中団争いをしている。
■アルピーヌF1代表、ハースの躍進に「驚いた」
そのことに対してアルピーヌ代表のオットマー・サフナウアーは、『Auto Motor und Sport』誌に「ちょっとびっくりしたね」と言う。
「これほど大きなルール変更で、パワーバランスが変わるとは思っていなかった。なぜなら、より多くのノウハウとより良いインフラを持つチームが有利になるからね。しかし、私はFIA(国際自動車連盟)がこの2台のマシンがどれだけ似ているかについて調査し、正しい結論を出すと確信している」
■マクラーレンF1代表「Bチームを助ければAチームも助かる」
ハースに対する疑念は消えない。ハースは2021年の間、フェラーリのマラネロ工場の敷地内という新しい拠点で2022年の準備を進めていたのだ。
マクラーレンF1代表のアンドレアス・ザイドルは「我々にとっては原則の問題だ」と言う。
「2つのチームが共有すべきは、エンジンとギアボックスの内部だけだ。インフラを共有すべきではない」
「情報を共有することでBチームがより良くなる。一方で、Aチームも助けられるという危険性がある」
■強すぎるフェラーリはパワーを下げていた?
最近こうした論争に対抗して、メルボルンではフェラーリが明らかに性能の良い2022年型エンジンのパワーを“下げていた”という噂さえ流れた。
これに対してハースF1代表のシュタイナーは「ナンセンスな話だ」と主張する。
また、フェラーリとハースが協力関係にあり、ハースはフェラーリの延長線上にあるのではとの指摘も否定した。
「部屋に入りたい人は、自分たちの入口を使わなければならない。我々のコンピューターシステムは完全に分離されているよ。フェラーリのF1社員がそこに入ることはないんだ」
それでも、昨年グリッド後方にいたチームが今年は最前線で戦っていることで、疑惑の声は絶えることがない。
■メルセデスF1代表「我々は最小規模のチームと争っている」
メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは「我々にとっては学びの場だ」と語った。
「これまで成功を収めてきた2,000人規模の組織の我々が、今はもっと小さなチームと闘っているのだからね。彼らは素晴らしい仕事をしたに違いない」
そのように語ったトト・ヴォルフも、FIAにこの問題をより詳細に調査するよう求めている一員だ。
「2つのチーム間の人事異動と、物理的に近いインフラは、我々のスポーツにとって好ましくない争点になる」
「しかし、良い仕事をしたのであれば、それは認められるべきであり、疑われる筋合いはない。だからこそ、近すぎる2チーム間の協力関係を防ぐ解決策を今後見つけなければならないのだ」。