メルセデスは2022年の「Bスペック」マシンに取り組んでいる可能性が高い
今週末にイモラで開催されるF1エミリア・ロマーニャGPは、各チームはマシンのアップグレードが控え目になるかもしれない。
■余裕のフェラーリはアップデートなし
今のフェラーリはマシンの信頼性が高く、シャルル・ルクレールがドライバーズランキングを独走しているため、現時点では大きな開発の必要性が最も低いと考えているようだ。
F1エミリア・ロマーニャGPでは土曜日には2022年最初のスプリントレースが控えていてフリー走行が減ることから、フェラーリにとって最初のホームレースでクルマを大きく変えることは「適切な場所ではない」とマッティア・ビノット代表も同意していた。
「アップデートを持ち込んで金曜のフリー走行で評価するという点では、難しい週末になるかもしれない。なぜなら、(金曜)午後の予選に集中しなければならないからね」
「我々自身を見た時、アップデートはイモラではあまり効果を発揮できないだろうね。繰り返しになるが適切な場所ではないと考えているからだ」
ビノット代表は、フェラーリはまだ“ポーパシング”の問題に取り組み続ける必要があると認めているものの、マシンのメジャーアップグレードは「シーズンの後半になるだろう」と言う。
■追うレッドブル、フェラーリとの差を縮める自信あり
レッドブルも同様で、世界王者マックス・フェルスタッペンのマシンで繰り返し起こっている燃料システム関連の不具合を解消はホンダに託されているとはいえ、同じようなものだ。
クリスチャン・ホーナー代表は、イモラでは「誰も大型のエボパッケージを期待しない方がいい」と言う。
「なぜならスプリントが行われる週末は、予選前のフリー走行が1回だけだから、新しいパーツを試す時間があまりないんだ。マシンに何を載せるか、しっかり決めないといけないんだ」と語った。
しかし、ランキングトップのフェラーリとの差を縮めるために、レッドブルは「どう進むべきか、かなり良いイメージを持っている」と明かした。
■メルセデスはBスペックを準備中か
最後に、苦戦を強いられているメルセデスF1チームもイモラに向けてのアップグレードを急いでいるわけではないが、ストラテジー(戦略)責任者のジェームス・ボウルズは、少なくともフェラーリとレッドブルの改良に「ついていく」必要があると語る。
「今行っている作業はメルボルンで起こったことの振り返りだ。イモラに向けて何をすべきかを理解し、マシンをチャンピオンシップで勝てるように進化させるんだ」
元F1エンジニアのジュリアン・シモン・ショータンは、メルセデスの“根本的なマシンの問題”と“予算の上限”が組み合わさった結果、“Bスペック”のマシンが登場するだろうと『Motorlat(モーターラット)』に語った。
「以前なら2、3、4種類のフロントウイングやフロアを持ち込んでいただろうが、(予算上限があるから)もうそんなことはできないんだ」
「彼らは全てのパッケージが揃うまで待つのだろうというのが、私の予想だ。フロアを1つ変える代わりに、Bスペックのクルマを持ち込むだろうね。そうなる日も近いと思っているよ」と語った。