レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、今季ここまでのセルジオ・ペレスのパフォーマンスを賞賛した。
レッドブル移籍後2年目のシーズンを迎えているメキシコ人ドライバーのペレスは、2022年F1開幕戦バーレーンGPでは表彰台圏内を走行していたものの、現F1チャンピオンであるチームメートのマックス・フェルスタッペン同様にマシントラブルでリタイアを喫している。
だが、第2戦サウジアラビアGPではF1キャリア初となるポールポジションを獲得。レースでも順調にトップを快走し、優勝すら視野に入っていたものの、ピットインを行った直後にニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)が引き起こしたクラッシュによりセーフティカーが導入されるという不運に見舞われてしまい4位に終わっている。
しかし、続く第3戦オーストラリアGPでは予選3番手からスタートし、最終的には2位表彰台を獲得。これは32歳のペレスにとってF1通算16回目の表彰台だ。
2011年にザウバーでF1デビューを飾り、2013年にはマクラーレン、2014年からはその後レーシングポイントと名称が変わることになるフォース・インディアに所属し、2021年からトップF1チームのひとつであるレッドブルに加わったペレスは、当初レッドブルF1マシンにてこずることも多かった。
それでも第6戦アゼルバイジャンGPではチャンスをものにして移籍後初優勝を遂げたペレスは、シーズン終盤にはトルコ、メキシコ、アメリカで3戦連続表彰台に上る活躍を見せ、ドライバーズランキング4位で終えていた。
■チェコはマックスと同等だった
マルコも、32歳のペレスのここまでのパフォーマンスには満足できているようだ。マルコはオーストラリアGPでのペレスの走りに言及しながら『Speedweek.com』に次のように語っている。
「チェコ(ペレスの愛称)は素晴らしいレースをしたし、マックスと同等だったよ」
「ハミルトンが素晴らしいスタートを切ったので、彼はスタートでポジションを落としてしまった。彼はあそこで少し滑ってしまっていたんだ。しかし、彼はいいレースをしてみせたし、これからも同じようにやってくれると思っているよ」
「彼は今年、予選で大きな改善を遂げたし、レースでも力を発揮している」
そう語ったマルコは次のように付け加えた。
「実際のところ、我々としては(オーストラリアGPでは)少なくとも2位と3位を獲得する必要があった。しかし、チェコが2位でフィニッシュしてくれたことに満足しているよ」
■チャンピオンシップはルクレールの独走状態
現在、3レースを終えた時点でのドライバーズランキングはここまでに優勝2回、2位1回のシャルル・ルクレール(フェラーリ)が71ポイントを稼いでダントツのトップに君臨している。
2番手にはここまで4位、5位、3位と安定した結果を残しているメルセデスのラッセルが34ポイント差で続き、3番手にはフェラーリのカルロス・サインツがトップと38ポイント差でつけている。
現在、ペレスはルクレールとは41ポイント差の30ポイントで4番手。5番手に28ポイントのハミルトンをはさんで、25ポイントのフェルスタッペンが6番手に位置している。フェルスタッペンとトップのルクレールとの差はすでに46ポイントにまで開いてしまっている。
今後フェルスタッペンが2022年のタイトル争いに加わっていくためには、もう1ポイントも取りこぼしはできない状況だが、レッドブルのF1マシンのパフォーマンスがここまでのところフェラーリに及んでいないことに加えて、信頼性の問題もあるという非常に厳しい状況に置かれてしまっているのは確かだ。
今後、フェルスタッペンとペレスのレッドブル勢が、フェラーリ勢、そして、徐々にトップとの差を縮めてくるであろうメルセデス勢を相手にどのような戦いを見せるのかに興味と期待が持たれるところだ。