メルセデスは、これ以上フェラーリとレッドブルとの差が開かないよう、今週末にイタリアのイモラ・サーキットで開催される第4戦エミリア・ロマーニャGP(24日決勝)には今季初めてとなるかなり大規模な改良を施したマシンを投入することになるようだ。
ハイブリッド方式の現行F1エンジンが導入された2014年以降、昨年まで8年連続でコンストラクターズタイトルを獲得してきた最強F1チームのメルセデスだが、これまでとは大きく異なる新たな技術レギュレーションが導入された今年はフェラーリとレッドブルに大きな差をつけられてしまっている。
現時点では、コンストラクターズランキング2番手につけているものの、フェラーリにはすでに39ポイント差をつけられている。ここまでの3レースでマックス・フェルスタッペンが2回、セルジオ・ペレスが1回マシントラブルでリタイアしたレッドブルには10ポイント差をつけているメルセデスだが、今後レッドブルの信頼性が向上すれば追い付かれてしまうのは時間の問題となりそうだ。
■レースとレースの間に行われる2拠点での作業は膨大
メルセデスは開幕戦以降2022年型F1マシンである「W13」に大幅な改良を加えることを控えてきたが、これは一度に多くの変更を加えることで設計プロセスが“混乱”することを懸念したためだったようだ。
しかし、メルセデスのチーフストラテジストであるジェームズ・ヴァウルスによれば、イギリスにあるチームのファクトリーでは今週末のイモラに向けて「膨大な作業」が行われているという。
「テレビに映るレースチームを見て、あれがチーム全体だと思われることが多いと思う。しかし、そうではないんだ」
「我々には幸運にもブラックリーとブリックスワースに拠点があり、そこで何百人もの人たちが可能な限りの時間を使って、このレーシングカーを速くて競争力のあるものにし、チャンピオンシップの勝者となるために働いているよ」
「レースとレースの間に行われる作業は膨大だよ。コンポーネントの改良やパーツのアップグレード、現時点での問題点の理解を行い、PU(パワーユニット)とシャシーの両方でパフォーマンスを向上させる方法を探っているよ」
■最も重要なことはフェラーリとレッドブルにこれ以上離されないこと
開幕戦バーレーンGP、第2戦サウジアラビアGP、第3戦オーストラリアGPを経て、今週末にはF1がヨーロッパに戻ることになる。そして、メルセデスもイタリアのイモラ・サーキットには大きな改善が施されたマシンを持ち込むことになるようだ。
しかし、それはライバルチームたちも同じだ。ヴァウルスも、メルセデスにとって最も重要なことはフェラーリとレッドブルにこれ以上離されないようにすることだと認めている。
「ライバルたちの進化を目にすることになると思う。少なくとも、我々もそれに遅れないようにしなければならない」
今週末のエミリア・ロマーニャGPに言及しながらそう語ったヴァウルスは次のように付け加えた。
「今、行われている作業はメルボルン(オーストラリアGP)の再評価だ。チャンピオンシップの勝者へとマシンを進化させるためにイモラに向けて何をすべきかを理解するためにね」