今週末には3年ぶりにF1オーストラリアGP(10日決勝)が開催されるが、その舞台となるメルボルンのアルバート・パーク・サーキットには4つのDRSゾーンが設置されることになっている。
2022年に導入されたグラウンドエフェクト効果を持つF1マシンは、ライバルを追いかけ、追い抜くのが昨年までよりもはるかに容易になったことが証明されており、オーバーテイクを増やす目的で2011年から導入されているDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)はもはや必要ないのではという声も上がっている。
■サインツ「DRSがなければ追い抜きはかなり減る」
フェラーリのカルロス・サインツは、開幕戦バーレーンGPと第2戦サウジアラビアGPを終えたあとに次のように語っていた。
「DRSがなければ、追い抜きはかなり減ると思う」
「だから、まだあったほうがいいとは思うけど、DRSによるアドバンテージによってオーバーテイクが簡単になりすぎないようにするべきだと思うよ」
■ノリス「新しいマシンではついてくることができる」
マクラーレンのランド・ノリスも、2022年マシンの空力特性とDRSが組み合わさることで、レースがこれまでとは違う展開になる場合もあると考えているようだ。
「僕は最終ラップの1周前にDRSを使ってエステバン・オコンをオーバーテイクしたんだ」
サウジアラビアGP決勝に言及しながらそう語ったノリスは次のように付け加えた。
「以前なら、僕のタービュランス(乱気流)で彼を振り切ることができていただろうけど、新しいマシンでは彼がついてくることができ、最終ラップで僕をオーバーテイクしてしまったよ」
■レッドブルF1「DRSポイントの位置を検討する必要がある」
こうした中、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、サウジアラビアGPの舞台となったジェッダ市街地サーキットで、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が自分にとって有利なDRSゾーンを確保するためにDRSの検知ポイントで相手を先行させようとあえて減速していたことに言及しながら次のように語った。
「彼らがラインの手前でブレーキングし、それから再び加速してコーナーに向かっていたのがわかったはずだ」
「そういうことを避けるために、今後数年間はDRSポイントの位置を検討する必要があると思うよ」
■メルセデスF1代表「私は気に入った」
だが、メルセデスのチームCEO兼代表を務めるトト・ヴォルフはホーナーの意見には反対のようだ。
「私は気に入ったと言わざるを得ないね」
サウジアラビアGPで展開されたフェルスタッペンとルクレールのバトルに言及しながらそう語ったヴォルフは次のように続けた。
「マシンは我々が期待していたものを提供してくれているよ」
「もちろん、DRSは大きなアドバンテージになる。しかし、それが非常にいいショーも提供しているんだ。観客からすれば、それはすごく面白いんだということがわかったよ」