NEXT...F1開催スケジュール

レッドブル首脳がダニエル・リカルドを擁護「まだ見限るべきではない」

2022年04月06日(水)1:00 am

F1はダニエル・リカルド(マクラーレン)を「見限ってはならない」と、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が主張した。

今週末には、リカルドの母国オーストラリアで3年ぶりにF1グランプリが開催されることになっており、母国グランプリに臨むことになるリカルドにも注目が集まっている。

現在32歳のリカルドだが、もともとはレッドブルの育成ドライバーとしてF1に駆け上り、2012年にセカンドチームのトロロッソ(現アルファタウリ)のフルタイムドライバーとなると、2014年には引退したマーク・ウェバーの後任としてレッドブルに昇格。

そして、その年は2010年から2013年まで4年連続でF1チャンピオンとなっていたチームメートのセバスチャン・ベッテル(現アストンマーティン)を凌駕する成績を収めることに成功している。

2016年シーズン途中にはレッドブルの秘蔵っ子とも言えるマックス・フェルスタッペンをチームメートに迎えたリカルドだが、翌2017年までドライバーズランキングではフェルスタッペンよりも上位でシーズンを終えている。

しかし、2018年にはフェルスタッペンの後塵を拝することとなったリカルドはそのシーズン限りでレッドブルを離れ、2019年にはルノーへの移籍を決断。実際のところ、リカルドを失ったレッドブルはそれ以降、フェルスタッペンのチームメートを務めるドライバーには苦労し続けてきている。

一方、ルノーでは勝利やタイトルを争うことができないと判断したリカルドは、わずか2年でルノーを去り、2021年にはマクラーレンへと移籍。ところが、なかなかマクラーレンF1マシンに適応できなかったリカルドは、10歳も年下のチームメート、ランド・ノリスに大きく水をあけられてしまった。

2022年にばん回を期すリカルドだが、今年はマクラーレンF1マシンの戦闘力が昨年よりも相対的に低下してしまっていることや、第2戦サウジアラビアGP決勝ではマシントラブルが発生したこともあり、いまだにポイントを獲得することができていない。

さらに、ここまでの2レースの予選ではやはりノリスに先行を許す苦しい展開が続いており、レッドブル時代に8勝をあげた実績を持つリカルドに対する評価も下降し始めてきているようだ。

こうした中、かつてリカルドをF1に連れてきた人物だとも言えるマルコは、ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に次のように語った。

「ダニエルはまだマクラーレンで苦しい時を過ごしているようだ」

「しかし、彼を見限るのは間違いだろう。我々は彼の力を知っているよ」

「それは単に彼が2014年にベッテルを上回ってみせたからというわけではないよ。ここでは誰もマックス・フェルスタッペンと肩を並べることができなかったんだ。しかも、それはそんなに昔の話じゃないよ」

「私は彼の成功を願っている。だが、彼が我々の2人のドライバーに次ぐ3位でフィニッシュすれば、それで十分だがね」

ともあれ、2022年シーズンも苦しいスタートとなってしまっているリカルドだが、マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは次のように語っている。

「我々の問題は、ドライバーではなく、マシンなんだ」

確かに、2021年には最後までフェラーリとコンストラクターズ3位争いを展開したマクラーレンだが、今年は新たに導入されたこれまでとは大きく異なる技術レギュレーションへの対応という点で、ライバルチームたちに後れをとってしまっているのは明らかだ。

もちろん、こうした状況はリカルドにさらなるプレッシャーを与えることになるだろう。だが、最近マクラーレンとの契約を2025年シーズンまで延長した22歳のノリスにとってはそれ以上かもしれない。

2009年のF1チャンピオンであるジェンソン・バトンは、同じイギリス出身のノリスについて、テレビ局『Sky(スカイ)』に次のように語った。

「僕には彼がなぜそんなに長い契約を結んだのか理解できないよ」

「そうする意味がわからないんだ」

そう語った42歳のバトンは次のように付け加えた。

「彼は2年後にも自分がひっぱりだこのドライバーであることがわかっているはずなのにね」

ともあれ、今週末のF1第3戦オーストラリアGP(10日決勝)で、マクラーレンの2人のドライバーたちがどのようなパフォーマンスを見せるかにも注目したいところだ。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック