レッドブルの2022年型F1マシン『RB18』は、イモラ・サーキットで開催される今季の第4戦エミリア・ロマーニャGP(4月24日決勝)以降、フェラーリを上回るスピードを手に入れることになるかもしれない。
そう示唆したのは、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコだ。
開幕戦バーレーンGP決勝はマシントラブルで2台ともリタイアに終わったレッドブルだが、その1週間後にジェッダ市街地サーキットで行われた第2戦サウジアラビアGPでは現チャンピオンのマックス・フェルスタッペンが激しいバトルの末にフェラーリのシャルル・ルクレールを逆転して今季初優勝を飾っている。
今年は、メルセデスではなくフェラーリがタイトル争いのライバルになるだろうと考えているマルコは、母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。
「フェラーリは、路面温度やタイヤに関係なく、どんなコンディションでも速い。我々のマシンは調整がもっと難しいのだが、イモラに向けて新しいパーツを準備しており、それによって車重を減らすことができるだろう」
「これにより、大幅にラップタイムを向上することができるはずだ」
今年導入された新たな技術レギュレーションのもと、ほぼすべてのチームがマシンの軽量化に苦慮しており、伝えられるところによれば、レッドブルのマシンもレギュレーションに定められた最低重量をかなりオーバーしていると考えられている。もしレッドブルがマシンの軽量化に成功すれば、さらにラップタイム短縮が可能となるのは間違いないだろう。
しかし、レッドブルがその新パーツを導入する前にメルボルンで開催される第3戦オーストラリアGP(4月10日決勝)では、再びフェラーリとレッドブルが大接戦を演じることになる可能性が高いと考えられている。
「メルボルンはジェッダとほぼ同じになると思う」
そう語ったマルコは、現時点でのフェラーリの強みはエンジンにあるようだと示唆し、次のように続けた。
「フェラーリが優勢だ。ホンダ、というかレッドブル・パワートレインズは2番手だ。そしてメルセデスは、珍しく3番手にとどまっている」
「しかし、彼らには9月1日まではそれに取り組む機会がある。だから、我々はこの段階でできるだけ多くのポイントを獲得しなければならない」
フェラーリエンジンのアドバンテージについて質問されたマルコは、大部分は「電気エネルギーの分野」だと答えている。
「ホンダが追随してくれることを期待しているよ」
「シャシーに関しては、メルセデスが最も大きなバウンシング(高速走行時にマシンが上下に振動するポーポイズ現象)を起こしているが、それは時間の問題だと私は思っている。ひとたび、それが解決されれば、彼らはマシンを微調整することができるよ」
「フェラーリの最大のアドバンテージは、マシンが寛容であることだよ。我々の方が、扱いづらく、気難しいマシンを手にしているのかもしれないね」
そう語った78歳のマルコは次のように付け加えた。
「だが、重要なのは、我々のマシンにはポテンシャルがあるということだよ」