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「F1にDRSはまだ必要だ」とフェルスタッペンやサインツ

2022年03月29日(火)19:14 pm

F1の現役トップドライバーたちが、コース上での追い抜き補助システムであるDRS(可変リアウイング)を廃止するのはまだ早すぎるとの考えを示した。

F1では、コース上でのバトルやオーバーテイクを増やし、F1レースをさらに見応えのあるものにするため、今年から技術レギュレーションを大幅に変更し、これまでは禁止されていたグラウンドエフェクト効果を持つマシンを導入している。

昨年までのF1マシンは、ダウンフォースを得るために非常に複雑化したエアロパーツが取り付けられており、それらが発生する乱気流によって後続マシンの挙動が不安定になるという現象が起きていた。そのため、前のマシンの後方を走行することが難しく、結果としてオーバーテイクが増えないという現象につながっていたのだ。

今年からシャシー自体がダウンフォースを発生させるグラウンドエフェクトカーとなったF1マシンだが、その効果は確実に現れており、これまでに行われた2レースでは確実に昨年までよりも接近戦が増えてきている。

こうした中、新たなレギュレーションの効果が出ているのであれば、もはやDRSは不要ではないかと考える者も出てきているようだ。

実際のところ、先週末にジェッダ市街地サーキットで行われたサウジアラビアGP決勝では、終盤にトップ争いを演じたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が、お互いに効果的にDRSを使用できる場所を確保しようと、わざと最初のDRSゾーンでオーバーテイクを狙わずに相手を先行させようとする光景も目にされていた。

これに関して、ルクレールはレース後に次のように語っている。

「基本的に、もし僕がメインストレートでマックスがDRSを使えるようにさせてしまったら、僕が簡単に追い抜かれてしまうのはわかっていたんだ」

「二度目には、明らかにマックスも僕がそうしようとしているのはわかっていた。だから、どちらもかなり早めにブレーキをかけていたよ」

レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、DRSを使用できる箇所については今後検討が必要だろうと考えている。

「今や、DRSはドライバー同士がいたちごっこをするための道具になっているよ」

そう語った48歳のホーナーは次のように付け加えた。

「今後、DRSゾーンを設ける場所を検討すべきかもしれないね」

アルピーヌのエステバン・オコンも同意見のようだ。

「サーキット上での戦闘哲学が劇的に変わってしまったよ」

25歳のフランス人ドライバーはそう語ると次のように付け加えた。

「今では、まるでゴーカートみたいだよ」

しかし、現在ランキングトップに立っているルクレールを20ポイント差で追うランキング3番手のフェルスタッペンは、まだF1にはDRSが必要だと考えているようだ。

フェルスタッペンは、ルクレールとの熾烈な追い抜き合戦を制して今季初優勝を飾ったサウジアラビアGPを振り返りながら次のように語っている。

「もしDRSがなければ、僕は絶対に彼を追い抜けなかっただろうね」

現在ランキング2番手に位置しているスペイン出身ドライバーのカルロス・サインツ(フェラーリ)も、F1にはまだDRSがあった方がいいと主張している。

「DRSがなければ追い抜きはかなり減ると思うよ。だから、僕はまだそれがある方がいいと思っている」

「検討する必要があるのは、DRSを使用したときの速度差じゃないかな。多分、後ろのマシンにはかなりのスピード差があるんじゃないかと思うし、ブレーキを踏む前にオーバーテイクが終わってしまうんだ」

「高速道路での追い抜きみたいなものではなく、2台のマシンがブレーキングでバトルをする方がもっといいよ」

そう語った27歳のサインツは次のように付け加えた。

「これについては検討が必要かもしれないけれど、今のところはDRSが必要なのは間違いないよ」

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