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専門家「F1は開催する基本的意味を考えるべき」F1チーム代表ら「安全は保証されている」問題は大金と政治・・・大規模テロ事件発生

2022年03月26日(土)19:04 pm

2022年3月26日(金)、F1第2戦サウジアラビアGPのフリー走行中に近郊のアラムコ石油精製所で爆発事故が発生し、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が犯行声明を出した。

●【2022F1第2戦サウジアラビアGP】フリー走行2回目のタイム差、周回数

しかし、F1は先ほど「安全は保証されている」として土日のイベントを予定通り開催すると公式発表を出した。

■近郊でテロ事件発生も安全・・・

金曜日、レースのタイトルスポンサーであるアラムコが運営する近隣の石油施設がミサイルとドローンによって攻撃され、サーキットはオイルマネーの臭いとF1の排気ガスとが混ざり合っていた。

サウジアラビアの首都ジェッダでは、夜遅くまでF1の緊急会議が開かれ、再招集されるなど劇的な光景が展開されたが、最終的にチーム代表たちはイベントは「安全」であると発表した。

■チーム代表「安全だ」

マクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表は、「私たちの安全が脅かされることはないと言われている」と語った。

メルセデスのトト・ヴォルフ代表も、「我々チーム代表は、ここでは守られていると断言された」と付け加えた。

レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「主催者側からの保証がある。我々はドライブする」と語った。

そして、F1 CEOのステファノ・ドメニカリはこうコメントした。「我々は皆、安全が第一であることに同意しており、何が起ころうとも、安全は我々に保証されている」

■ウクライナ情勢でロシアGPは中止になったが・・・

新型コロナウイルスに関連した安全規制が2年続き、ウクライナ情勢を理由にF1ロシアGPを中止したが、F1が自分たちの目の前にある戦争を本質的に無視できることに恐怖を覚えた人もいただろう。

■問題は1098億円もの大金がかかっていること

ドイツの『Sport1』は、「問題はもっと深いところにある」と分析している。

「独裁的な国々は、スポーツを通して自国のイメージを白く見せたいがために、F1に何百万ドルも送金している。サウジアラビアが10年契約で支払う金額は9億ドル(約1098億円)とも言われている」

すでに国を離れるとされるラルフ・シューマッハは、『Sky Deutschland』で次のように語っている。

「F1には長期契約があり、それを危険にさらすことはしたくない」

「政治的影響力と大金が絡んでいる」

■バルテリ・ボッタスは当初から反対

1996年のワールドチャンピオン、デイモン・ヒルはF1が「文字通り火遊び」をしていると考えており、バルテリ・ボッタスはテロ以前から、サウジアラビアでの決定をあまり支持していないことを明らかにしていた。

「レースをする場所を選ぶことができないような気がする」とフィンランド人のバルテリ・ボッタスは続けた。

「もし選べるのであれば、カレンダーを少し変えた方がいいかもしれない」

「結局はF1(の決定)を信頼して各地に行くことになるんだと思う」

■世界のメディア、F1は大金で幸せになっていない

しかし、その信頼は今、失われていっている。多くのメディアは、F1の「安全な」発言を支持し、繰り返すだけで、相手にしてくれない。

「FIAとF1の信頼性は黒煙のように空気中に蒸発し、ドライバーたちは『戦争反対』という言葉を口にした」と、『MTV Sport』に寄稿したミッコ・ハイティアは語る。

「F1の主要パートナーで、金曜日に配送センターを襲われたアラムコが、舞台裏で非常に強く糸を引いていたことは明らかだ」

「しかし、どこで線引きをするのだろうか?F1はその金銭欲のために我々をどこに連れて行ったのだろうか?」

オランダの新聞『De Telegraaf』はこう指摘する。「F1は、大金があれば必ず幸せになれるというわけではないことを改めて証明した」

ボン市の研究機関CARPOの科学者である地域政治専門家セバスチャン・ソンスは、イランと結びついた反政府勢力が実際にジェッダ・サーキットに銃口を向けるかどうか疑っている。

しかし、彼は「F1はサウジアラビアにとって政治的に極めて重要だから」と、F1がサウジアラビアの利益のために翻弄されたとも考えている。

「F1は、このような状況でF1レースを開催することが基本的な意味を持つかどうかを考えなければならない」と付け加えた。

■近郊の爆発事故に武装組織が犯行声明・・・

FP2開始前、FIAは全チーム代表とドライバーを招集し、何かの緊急ミーティングを行い、セッション開始が15分遅れた。

開始が遅れた理由は、サーキットから約11kmほどに位置する空港近くの石油精製所で爆発があったためF1は情報を確認していたが、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が犯行声明を出した。5日前にはアラムコの石油精製所がドローンによる攻撃を受けていた。

引き続きF1に与える影響を注視する必要があるだろう。

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