伝えられるところによれば、メルセデスが2022年に投入される全10チームの新型F1マシンの中で最も過激な革新的技術を投入した新バージョンのF1マシンを投入する準備をしているようだ。
今年から導入される新たなF1技術レギュレーションはかなり制約が多く、F1関係者やメディア関係者の中には、2022年のF1マシンはどのチームのものもかなり似たものになるだろうと予想していた者が多かった。
だが、2月にバルセロナで行われた最初のプレシーズンテストに各チームが持ち込んだマシンは見た目的にかなり異なるものが多く、F1関係者ですら驚いたと言われている。
しかし、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は、今は多少の違いがあるにしても、シーズンが進んでいけば、どのチームのマシンも結局似たような形になっていくだろうと考えている。
「4レースか5レースすれば、その全てのレースを1チームか2チームが制することになるだろうから、残りのチームはそれをコピーすることになると思うよ」
「そして、来年には、全てのマシンが同じようなものになるよ」
■フェラーリは自信
今週は10日(木)から12日(土)の3日間にわたってバーレーンで今季2回目のプレシーズンテストが行われることになる。そして、翌週に行われる開幕戦バーレーンGP(20日決勝)に向けて、各チームが大きく異なる戦略で最後のテストに臨むことが予想されている。
例えば、フェラーリの場合はバルセロナでのテストでは信頼性とスピードの両面でかなりいい結果を示していたこともあり、チーム代表を務めるマッティア・ビノットによれば、バーレーンテストに投入するマシンの基本設定などはバルセロナと「ほぼ同じ」ものになるという。
「今回は今のマシンを最適化することが重要になる」
そう語ったビノットは次のように付け加えた。
「ライバルたちがバーレーンに何を持ち込むのか様子をみることにするよ。きっと多くのチームがかなりの改良パーツを用意しているはずだからね」
■サイドポンツーンがない?メルセデスの改良版は「怪物級」
そして、イタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は、メルセデスの改良パッケージは「革命的」かつ「物議をかもす」ものになるだろうと報じ、次のように付け加えている。
「シミュレーターでのパフォーマンスは怪物級だと噂されている」
その噂によれば、メルセデスが導入する新たなマシンからはこれまでの伝統的なサイドポンツーンが姿を消すのではないかと言われており、それは「想像力に富んだ効果的なラジエーター配置」によるものだという。
さらに、メルセデスの改良型マシンは、大幅な重量軽減の恩恵も受けられることで、バルセロナのマシンに比べてラップタイムが1秒は速くなると予想する声もあるようだ。
■レッドブルも警戒
これに関して、レッドブルのある関係者は次のように語ったという。
「もし、メルセデスのパフォーマンスの70パーセントを達成できれば、我々は満足できるだろう。彼らのパッケージは圧倒的なものになりそうだからね」
実際のところ、メルセデス関係者もバーレーンに新たな改良パーツを持ち込むことを否定していない。
「バーレーンには全てのチームが新しいパーツを持ち込むだろう」
そう語ったメルセデス関係者は次のように付け加えた。
「最初の数レースではみんな活力がみなぎっているだろうからね」
こうした中、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリのマリオ・イゾラ(自動車レース責任者)はドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。
「バルセロナでは誰も本気ではやっていなかったよ。チームたちは、少なくともあと1秒は縮められるはずだ」