ルイス・ハミルトン(メルセデス)が、昨年のF1王者となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)には何も悪い感情は持っていないと語った。
ハミルトンは、昨年のF1最終戦アブダビGP決勝終盤にセーフティカーが導入された際、F1レースディレクターのマイケル・マシが通常の手続きによらない形でレースをリスタートしたことでフェルスタッペンにファイナルラップでオーバーテイクを許し、通算8回目のF1タイトル獲得を逃していた。
そのとき、ハミルトンはチーム無線で「操作されている」と訴え、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に対して不信感を抱いていることを示唆していた。
しかし、ハミルトンは、フェルスタッペンに対しては何も文句を言う筋合いはないと次のように語った。
「いや、これはマックスには何の関係もないことだよ」
「マックスは、あのチャンスがあればレーサーなら誰でもやったはずのことをやっただけさ。僕は本当に彼に対してはなんとも思っていないし、誰に対しても決して怒ってなどいないよ」
「僕は前を向き、過去のことをずっとくよくよしたりしない人間なんだ」
いずれにせよ、アブダビGPでのレース采配が大きな批判を呼んだことからFIAはマシの解任を決定。2022年には新たなレース管理体制で臨むことになっている。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、FIAが行うことになった改善のうちのいくつかは評価しつつ、マシの解任に関しては「厳しすぎる」とし、その背景には政治的圧力もあったのではないかと次のように語っている。
「マイケルを外すための大きな圧力があったと思うが、それは正しいことではない。それが私の個人的な気持ちだった」
ともあれ、今後に向けてハミルトンが望んでいるのは、アブダビでの一件に関してFIAが行った調査の結果が公開されることのようだ。
「僕はまだそれを目にしていないんだ。まだどこにも公開されていないと思うよ」
そう語ったハミルトンは次のように付け加えた。
「誰でもその結論を見られればいいと思う。そうすれば誰もがこのスポーツが向かおうとしている方向を理解することができるからね。最終的には、それが大事なんだよ」