NEXT...F1開催スケジュール

「ルクレールが速くなればなるほどベッテルは苦戦を強いられる」とビルヌーブ

2020年10月27日(火)18:02 pm

1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、現在セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が不振を極めているのはフェラーリの2020年型F1マシンがチームメートであるシャルル・ルクレールのドライビングスタイルに合わせて設計されているためだと考えている。

今季限りでフェラーリのシートを喪失し2021年にはアストンマーティンと名前を変えるレーシングポイントに移籍することが決まっているベッテルだが、今季はルクレールに大きな差をつけられてしまっている。

先週末にアルガルヴェ・サーキットで開催された今季のF1第12戦ポルトガルGPでもルクレールが予選4番手、決勝でも4位フィニッシュという結果を残したのに対し、ベッテルは予選15番手、決勝でもかろうじてポイント圏内の10位に食い込むのがやっとだった。

この結果、現時点ではルクレールが合計75ポイントを稼いでドライバーズランキング5番手、一方のベッテルはわずか18ポイントでランキングも13番手に沈んでしまっている。

ベッテルは、ポルトガルGP決勝後に自分に与えられているF1マシンとルクレールが手にしているものには違いがあるのではないかとの疑いを抱いていることを示唆したが、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットはすぐさまそれを否定し、2人には完全に同じマシンを与えていると主張している。

しかし、ウィリアムズが輩出した最後のF1チャンピオンでもあるビルヌーブは、現在のフェラーリF1マシンはルクレールのためだけに造られたに等しいものだと考えている。

「彼(ベッテル)のドライビングはルクレールのそれとはすごく違うんだ」

テレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』にそう語った49歳のビルヌーブは次のように続けた。

「そして、このクルマの全ての開発に関与したのはルクレールだった。それは自分たちの未来は彼とともにあるとフェラーリが考えているためだ」

「だから、彼(ルクレール)が速くなればなるほどそのマシンはベッテルにとってはドライブしづらいものになるし、ベッテルは限界まで攻めることができなくなるわけだ」

「ベッテルのマシンに関しては、我々はその限界を目にしてはいない。我々が見ているのはベッテルの限界だよ」

元F1ドライバーであり、主にDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で活躍した実績を持つベルント・シュナイダーも、現在ルクレールとの差が大きく開いてしまっているのは必ずしも自分と同じドイツ出身のベッテルだけに原因があるわけではないと考えている。

「4回F1チャンピオンになった者がこれほどまでに後れをとっているとすれば、それは単にドライバーだけの問題ではないよ」

「実際のところ、ベッテルはもう今年が終わるのが待ちきれないんじゃないかと私は思っているし、来年はもっといい年になるよう願っているところさ」

母国ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』にそう語った56歳のシュナイダーは次のように付け加えた。

「彼はフェラーリが間違っていたことを示したいと思うだろうからね」

2016年のF1チャンピオンであるドイツ出身のニコ・ロズベルグも、ルクレールとベッテルとの差がこれほど開いていることを不思議に思っているようだ。

「奇妙だね。だけど、外部からその理由を判断するのはすごく難しいんだ」

テレビ局『RTL』にそうコメントしたロズベルグは次のように付け加えている。

「でも、今の状況はちょっとばかり不可解だね」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック