フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが、セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールには全く同じF1マシンが与えられていると主張した。
●【決勝結果】F1第12戦ポルトガルGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
このところ、4回F1チャンピオンとなった実績を持つベッテルが2018年にF1デビューした23歳のルクレールのパフォーマンスに太刀打ちできない状況が続いている。
先週末にアルガルヴェ・サーキットで開催された2020年F1第12戦ポルトガルGPにおいてもルクレールが予選・決勝ともに4番手で終えたのに対し、ベッテルは予選15番手でQ2敗退。決勝もなんとかポイント圏内の10位に食い込むのがやっとだった。
ベッテルはレース後、自分に与えられているフェラーリ2020年型マシンとルクレールが乗るマシンが同じものとは思えないと示唆ながら次のように語った。
「テレメトリーを見ればほかのクルマの方がいくつかのセクションでかなり速いのが分かるよ。僕も馬鹿ではないからね」
「もっと何か言うべきかどうかは分からないけれど、僕はやれることはすべて試してきたんだ。ラップタイムや僕の感覚はあるけれど、僕たちは同じクルマを手にしていると考えなくてはならない。なぜなら、僕は周りにいる人たちを信頼しているからね」
このベッテルの発言を受け、ビノットはテレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に次のように語った。
「セブ(ベッテルの愛称)とシャルルのクルマは全く同じものだし、そのことには疑いの余地もないよ」
「シャルルは明らかにすごく優秀だ。だが、2人目のドライバーにももっと期待できるだろうと思っているよ」
フェラーリでは不振が続くベッテルとの契約を今シーズンが終わる前に解除する可能性もあるのではないかとのうわさもある。だが、ビノットはそれを否定し、次のように続けた。
「そんなことは全く話にも出ていないよ。それに、私は彼(ベッテル)がまたポイントをとり、それによってもっと自信が持てるようになるはずだと思っているんだ」
「セバスチャンのポテンシャルからすればもっと速く走ることができたはずだと私は思っている。だが、今の彼に大きなプレッシャーをかけるわけにはいかないんだ。彼がいい形でシーズンを終えることができるようにするために、我々もできることはすべてやっているよ」
ともあれ、一方のルクレールはここ数戦でかなり調子が上向いてきている。これはフェラーリが持ち込んだ改良パーツがうまく機能していることを意味するものだろう。
「我々としては、今進めている方向は正しいものだと考えているよ」
そう語ったビノットは次のように付け加えた。
「どの方向へ向かうべきなのかは分かっている。だから今は来年に向けて可能な限り頑張っているところさ」