レッドブルが2021年シーズンに向けてアレクサンダー・アルボンをあきらめ、ニコ・ヒュルケンベルグもしくはセルジオ・ペレスをマックス・フェルスタッペンの新たなチームメートとして起用する可能性が高くなっているのは間違いないようだ。
レッドブル首脳のひとりヘルムート・マルコ(ドライバープログラム責任者)は、イギリス生まれのタイ国籍ドライバーであるアルボンが今後大きく改善を見せれば2021年もそのシートをキープすることが可能だとしている。
だが、かつてレッドブルに所属していた元F1ドライバーのロバート・ドーンボスは、先週末にポルティマオ(アルガルヴェ・サーキット)で行われたF1ポルトガルGPがアルボンにとってはとどめの一撃となったはずだと考えている。
「チームに対して改善してみせると言ったとしても、チームメートにラップダウンされてしまうようであれば評価だって失ってしまうよ」
ポルトガルGP決勝を6番グリッドからスタートしたものの、最終的にはポイント圏外の12位フィニッシュ(1周遅れ)となってしまったアルボンについて母国オランダの『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』にそう語ったドーンボスは次のように付け加えた。
「F1は最高のスポーツだし、食うこともあれば食われることもあるんだ」
ポルトガルGPが開催されたアルガルヴェ・サーキットではフェルスタッペンがヒュルケンベルグは自分にとって「いいチームメート」になるだろうと語ったことが伝えられていた。
フェルスタッペンはさらに、メルセデスとF1タイトルを争うためにはいいセカンドドライバーも必要になると次のように語っている。
「僕がF1に来たときには経験のあるチームメートの存在が有益だったよ」
「だけど、もうこのスポーツを5年か6年やってきたし、そのためのセカンドドライバーは必要じゃないんだ。現時点ではタイトルを狙えるほどの強さもないし、大した意味はないからね」
「だけど、もし僕たちがメルセデスとの差を縮めることができ、何か戦略的なことをやりたいと思えるようになれば、セカンドドライバーがいてくれれば助かるだろうね」
実際のところ、アルボンの状況は非常に厳しいものとなってきているのは確かだ。
アルボンが2021年のシートを確保するにふさわしいという力を示してみせるために残された時間はどれくらいあるのかと質問されたヘルムート・マルコ(レッドブル/ドライバープログラム責任者)は、母国オーストリアの『Salzburger Nachrichten(ザルツブルガー・ナッハリヒテン)』に次のように答えた。
「12月初旬までだと言っておこう」
「おおまかに言えば、あと2レースか3レースだね」
このマルコのコメントからすれば、アルボンは今週末にイモラ・サーキットで行われる第13戦エミリア・ロマーニャGP(11月1日決勝)、イスタンブールで開催される第14戦トルコGP(11月15日決勝)、そして第15戦バーレーンGP(11月29日決勝)でレッドブル首脳を納得させるだけのパフォーマンスと結果を示すしかないということになる。
マルコは別のインタビューにおいて、ジュニアチームのアルファタウリの2021年ドライバーラインアップをバーレーンGP後に発表することになると示唆していたが、どうやらレッドブルとしてはそのタイミング(12月初旬)に2021年のレッドブルとアルファタウリのドライバー体制を確定させる計画のようだ。
つまり、それまでは現在レッドブルのドライバー候補に上がっているヒュルケンベルグやペレスもそれまで待つしかない状態だということだ。
ヒュルケンベルグは母国ドイツのテレビ局『RTL』に次のように語った。
「僕はヘルムートからの電話を待っているところだよ」