レッドブル・ホンダは今後さらにメルセデスに対してプレッシャーをかけ続けることができる。
●【決勝レース結果】F1第5戦70周年記念GP決勝レースのタイム差、周回数
そう考えているのはレッドブル首脳のヘルムート・マルコだ。
シルバーストン・サーキットでの2戦目となった先週末のF1 70周年記念GPでは最前列からスタートした最強メルセデスのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスがタイヤの著しい摩耗に苦しむ中、4番グリッドスタートだったレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが見事に逆転勝利を飾ることに成功した。
予選までは圧倒的とも言えるパフォーマンスを示していただけに、決勝でメルセデスがあれほどタイヤに苦しむことになると想像できていた者はあまりいないだろう。
1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブもテレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に次のように語った。
「正しい戦略があり、その戦略を実行できるだけのドライバーがいるとすれば、メルセデスは大きな問題を抱えているよ」
「彼らが手にしているマシンでリーダーから10秒差でフィニッシュしたということは、チームが台無しにしてしまったということだ」
F1公式タイヤサプライヤーであるピレリのF1責任者を務めるマリオ・イゾラは、今週末にバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで行われる今季のF1第6戦スペインGPでもタイヤをうまく扱うことがF1チームたちには求められることになるだろうと考えている。
「今年のクルマはかつてなかったほどに速いし、スペインGPが8月に開催されたことなど一度もなかった」
そう語ったイゾラは次のように付け加えた。
「それを念頭に置けば、これまでのバルセロナでのレースの中で一番厳しいものになる可能性もある」
こうした中、先週末に今季初勝利をあげたレッドブル・ホンダはその勢いをスペインにも持ち込むことを目指している。
「クルマはまだ全然我々が望むようなレベルには至っていない。だが、我々は開発を継続しているよ」
母国オーストリアの『APA通信』にそう語ったマルコは次のように続けている。
「風洞でのテストやCFD(数値流体力学)のデータが示しているものがまだサーキットでは見られないんだ。だが、ゆっくりとそこに近づいてはいるよ」
「クルマの主要な問題は解決することができている。だが、まだいくつか細部を修正する必要が残されているんだ」
マルコは、先週末のシルバーストンでメルセデスがタイヤに問題を抱えた理由のひとつは、自分たちが彼らにプレッシャーをかけることができていたことだろうと考えている。
「我々の基本的なスピードはかなりよかったし、メルセデスは限界での走りを余儀なくされていたのさ。以前は余裕で走ることができていたがね」
そう語ったマルコだが、メルセデスが予選であれほどの強さを見せる秘密は分からないと次のように付け加えている。
「メルセデスの予選タイムについてはまだ説明できないんだ。あれはちょっとばかり奇妙だよ」
とは言え、先週末の今季初勝利でレッドブル・ホンダ陣営の士気がさらに高まっているのは間違いないだろう。
今週末のバルセロナはかなり気温が高くなると予想されているが、レッドブル・ホンダにとってはそれが有利に働く可能性もあるとマルコは考えている。
「それに関してはうれしく思っているが、どうして我々のクルマがあれほど気まぐれなのかをこれから突き止める必要がある」
マルコはそう語ると次のように付け加えた。
「だが、我々は諦めるつもりはないし、今も自分たちは挑戦者だと思っているよ」