セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、今季は自分が少し苦戦を強いられているだけに、新たなチームメートとなったシャルル・ルクレールが活躍しているのはいいことだと語った。
フェラーリのアカデミードライバーであったルクレールは2018年にアルファロメオ・ザウバーでF1デビュー。そしてわずか2年目にして名門中の名門F1チームであるフェラーリのシートを確保。
シーズン開幕前にはレッドブル時代に4度F1王者となったベッテルに対してどこまで食らいついていけるかが今年のルクレールの課題となるだろうと考えられていた。
ところが、実際にシーズンが開幕するとルクレールがベッテルをしのぐパフォーマンスを発揮。2勝6ポールポジションとベッテルを上回る結果を残し、ドライバーズランキングもメルセデスのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスに次ぐ3番手に位置している。
F1関係者やメディアの中には、すでにベッテルではなく、今月の16日に22歳になったばかりのルクレールがフェラーリのナンバー1ドライバーの地位を確保したと考えている者も多い。
そのルクレールについて、これまでのF1キャリアにおいて最強のチームメートだと考えるかとドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』に質問されたベッテルは、その比較は簡単にはできないと答えている。
「彼は若いし、非常に速い。そのことを疑う者など誰もいないと思うよ」
そう語った32歳のベッテルは次のように続けた。
「彼らを本当に比較することなんてできないよ。そのためにはマーク(ウェバー)、キミ(ライコネン)、ダニエル(リカルド)、そしてビタントニオ(リウッツィ)を同時に同じクルマに乗せる必要があるからね」
「純粋なスピードに関して言えば、ルクレールはすごく速いよ。だけど、彼はまだ始めたばかりなんだ。まだたった2年目にしか過ぎない。だから、F1で長く過ごしてきて豊かな経験を持っていたキミ、あるいはマークとはまったく状況が違うからね」
しかし、ベッテルもルクレールが非常にうまくやっているのはいいことだと認めている。
「すごくいい指標があるのはいいことだし、とりわけ僕が自分自身やクルマの能力を引き出すことに苦戦しているようなときには(ルクレールが活躍するのは)いいことさ」
そう語ったベッテルは次のように付け加えた。
「それに、チームにとっても、サーキットで真剣に戦い合う2人の乗り手がいるのはいいことさ」