マクラーレンでは今週末にメルボルンで開催されるF1開幕戦オーストラリアGP(25日)に不安を抱えながら臨むことになりそうだ。
昨年限りで2015年からエンジンパートナーを務めていたホンダとの関係を解消し、今年からルノーPU(パワーユニット)に切り替えたマクラーレンだが、2月下旬から3月上旬にかけてバルセロナで行われたシーズン前テストでは信頼性問題が多発し、今年も厳しい条件のもとでシーズン開幕を迎えることになってしまった。
■現状は万全とは言えない
マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、バルセロナで発生した問題に関してはすべて対処済みだと主張しているものの、その一方で今年に関してはあまり現実的でない目標を掲げるつもりもないとしている。
「目標は競争力をアップすることだし、コンスタントに上位となることだ」
母国フランスのラジオ局『RMC』にそう語ったブーリエは次のように続けた。
「まずは我々の新しいパッケージの様子を見る必要がある。(ルノー迎えたことで)新たな関係になっているから、クルマやエンジン、運用方法などを理解していくことが必要なんだ。序盤の数レースで様子を見ていくことになるよ」
「オーストラリアにも戦えるよう準備をしていくつもりだ。ポイント獲得のチャンスだからね。だが、小さな問題がたくさん発生したこともあって万全の準備が整っているとは言えないかもしれない」
「だが、確実に準備を整えていくつもりだよ」
■今後もっとデータ収集が必要
バルセロナテストでマクラーレンと最も対比されたのはトロロッソだったのは間違いない。マクラーレンに代わって今季からホンダPUを搭載したトロロッソの方はまったくと言っていいほど問題も発生せず、非常に順調なテストを行うことができていた。
「トロロッソのように、よりよい仕事をした者たちもいる」
そう認めたブーリエは次のように続けた。
「8日しかないのに、そのうち3日を天候のせいで失ったという事実は何の助けにもならなかった」
「だが、我々がどういう位置にいるのかを判断するのはまだ早すぎるよ。我々は十分な走行はできなかったし、レースシミュレーションもできなかった。だから我々にはもう少しデータが必要なんだ」
■ルノーPUによる改善度合いはまだ分からない
今季マクラーレンで2年目のF1フルシーズンを迎えるストフェル・バンドーンも母国ベルギーの『Het Laatste Nieuws(ヘト・ラーツテ・ニュース)』に次のように語っている。
「メルセデスAMG、フェラーリ、レッドブルのすぐ後ろに続くのは誰なのかを予想するのは難しいね」
「新しいエンジン(ルノー)を得たという事実は僕たちにとって大きな前進なんだ。だけど、それがどれほどの前進なのかを推測するのはまだ難しいね」